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【建築費高騰】ウッドショックの影響、ロシア危機の影響はいつまで続く?【まだまだ続きそう】

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こんにちわ!!ディライトホームコラム編集部です。

2021年頭頃から世界中を席巻している【ウッドショック】に直撃している住宅業界ですがダメージの影響を受けながらもなんとか持ち直しつつある中で、
さらに輪をかけてロシアのウクライナ侵攻によってさらに材料調達が困難を極め、さらに大きな影響を受けています。

ニュース、メディア等でウッドショックという言葉自体は最近聞かなくなってきましたが、ロシアの侵攻ウクライナ侵攻に関するニュースが流れない日はまだ少ないですね。
新築を検討する方、注文住宅に興味がある方にとっては【建築費の高騰】は痛いニュースだと思います。今回のコラムではなぜ現状建築費が高騰しているのかをまとめ、
タイミング的に新築するなら・・・ということを測っている方に収まってきそうな見通しなのかそれとも・・・という部分をお伝え出来たら幸いです。
また、コロナ⇒ウッドショックこの流れがなぜ起きたのかを分かりやすく説明できる方は少ないと思うので、知識としてお伝えできればと思います。
世界的に起きている木材価格の高騰やタイミングがホントに悪すぎる円安、コロナによる影響、ロシアのウクライナ侵略問題、中国の問題でいえば香港の暴動や台湾有事の有無など、
複雑に絡む原料供給の問題について解説します。実際メーカーで働く方以外はの【ライン稼働の不振】なんて言われても理解できない事だと思うので、できるだけわかりやすくお伝えします!
目標は【いつまでウッドショックの世の中なの??】という大きな不安と疑問に光を照らすことが出来たら幸いです。

建築業界でよく耳にする言葉をあげると
【ウッドショックの影響は収まってきたけど今度はロシア問題だね】とか
【家を今建てると建築費高上りじゃない?木材は収まってきたけど石膏ボードとか、機器系はどこまで高騰してる?】とか
ライトな話だと【値上がりしてるの木材だけじゃないの??いつまで待てば安くなるんですか?】とか こんなお話をよく聞きます。
住宅を建てる為の住宅ローンに関するお話はこちらから↓↓

【住宅ローンの基礎知識】住宅ローンはいくらまで借りれますか?【お金のお話し】

2023年も終盤に差し掛かり、来年家を建てよう!とか、春には子供が小学校上がるから学区確定のためにもそれまでには完成させよう!みたいな気持ちになっている皆さんにとっては、
特に建築費の高騰はとても気になるニュースですね!今後の価格推移の影響はしっかり追っていかないといけないと思います。
ウッドショックは現在どうなっていて、今後どうなっていくのか、ロシア問題の影響はどういう部分に出ているのか、予測や予想を含む表現になるところが多くなりますが、背景の説明を含めて、
今回のコラムで解説いたします。

1 住宅業界に大ダメージ!!【ウッドショック】って実際何?

コラム冒頭からお話ししているウッドショックですが、ちゃんと背景まで理解している人は少ないかもしれません。
2021年頭頃から住宅業界と建築建設業界を大混乱に陥れ、大ダメージを与えた【ウッドショック】ですが、最近は影響も和らいできました(ウッドショック前に値段は戻っていませんが)。
世間的に、いまさら聞けないウッドショックって何??という話を解説します。

★ウッドショックってなんですか?かみ砕いて解説するとこうなる
新築住宅を建てる際に必要な材料として当然“木材”があります。その木材の仕入れ価格が急騰し、世界的な品薄、高価状態で大混乱している状況・状態が、1973年に起きたオイルショックを想起させるため、
【ウッドショック】と呼ばれるようになりました。※オイルショックは生活必需品の総値上げ、品薄を巻き起こしたことに対し木材に関係するこちらは影響する範囲が限定的だったので関連しない業界の方はあまり浸透していませんでした。
まとめると、新築住宅建築の骨組みに使うプレカット材や、造作に使う板材、フローリングに使う機材、木材の合板等々、木質系の材料の仕入れ価格高騰が様々部材で理由で起こりました。
それに伴って現在でも住宅の建築に使う木材資源を日本ではほぼほぼ輸入に頼っているので原価が爆増し、危険な状況になっておりました。木材需要が同等水準で推移する中で、供給が全く止まってしまったことが原因で、
価格が暴騰したという現象です。

★なんでウッドショックが起きてしまったのか解説 発端は新型コロナウイルスだった?!
建築業界的に2020年の年末当たりから怪しい噂が飛び交っていました。【木材価格が3倍になるかも】【材料が高くなるから同じ値段で家を売っても儲けが0になるよ】等々です。
ウッドショックを実感するようになったのは2021年の初めで、3月ぐらいにプレカット業者が蒼い顔をしながら【価格の相談をさせてほしい】と言ってきて、問題が表面化してきたと記憶しています。
2年ちょっと前ですが、提示された見積もりの額が通常の2.5倍位の額で、震えるほど驚きました。まだ、値段が高くても納材される案件はいい方で、この時期は住宅会社によっては納材すらされない案件が相次ぎ、
施工開始が遅れることに伴ってお客様に大きなご迷惑をかけた会社も多かったと思います。
ウッドショックに突入した段階での主な要因・原因は、新型コロナウイルスの影響が大きかったように思います。そのような状況の中でさらに香港の暴動、ロシアのウクライナ侵攻と、
悪影響を及ぼす事柄が連続で起き、材料の仕入れだけでなく流通にも大きなダメージを与えたことが要因でなかなか収束しない問題になっています。具体的な流れや理由も解説します。

【ウッドショックの原因①】林業従事者、木材加工工場が稼働停止!!物流が停滞し流通に関するコストが激増!燃料高の影響も!
コロナ危機以前と比べ現在は生活様式に変化が生まれました。ウッドショックの原因として新型コロナウイルスによる影響がまず最初に挙げられます。
コロナ感染者が世界各地で大規模に爆増し、(累計感染者3億2000万人、総死者数550万人以上)世界中に木材を供給しているアメリカ・カナダなど大規模木材供給加工会社が稼働停止してしまい、
労働者が集まらない、労働環境が整わない等の問題が起き、コロナの影響での労働力不足⇒生産力低下が進み、木材供給能力が著しく低下しました。
生産⇒加工⇒運輸、これらのサイクルが全てのポイントで正常に回らないため、当然の様に少ない生産量となり、コストが増大してしまいました。

【ウッドショックの原因②】生活様式が変わり自宅で過ごそうが急加速!!アメリカ、カナダ、中国等で住宅購入の動きが加速!木造住宅の需要が活発化して木材供給減に拍車をかける!
世界的な新型コロナウイルスの影響に対応するために生活様式が【家で楽しめる、家を楽しもう】という動きを活性化しました。様々な分野で大きな経済的ダメージを世界各国が受ける中、
住宅建築の需要は大半の国において低下したのですが、アメリカ、カナダ、中国等の本来木材供給元になっていた国々では、合わせて異次元レベルでの超低金利政策やバラマキを行い国内経済を促進しました。
その結果として経済活動が復活を遂げ、消費財として一番高額な住宅の需要が逆転して高まり家を買う人が増えました。家を求める人たちの意図は、人込みを避け、コロナ感染を避けるための【ステイホーム奨励】もあり、
リモートワークでの仕事も社会的に増えた背景もあって、在宅時間の割合が増えたことで【人が集まる都市圏で感染リスクにおびえて暮らすより、郊外でのびのびと生活したい】という趣向の変化もあったようです。
当然、木材を材料として輸出していた側の国で、国内需要が高まり、住宅購入の動きが活発化したことで、国外の需要に応えるべき資材が供給不足に陥って、輸出する木材がないという流れがウッドショックを加速させました。

【ウッドショックの原因③】輸送用のコンテナが不足!!需要があるのに運べない!!
ウッドショックの原因①と②は、材料である木材の生産と需要供給バランス、生活様式の話でしたが、③は運搬、輸送に関してのことです。
これもコロナの影響でのステイホーム急増が原因なのですが、米国で住宅の需要増につられて、家具や家電等新調の動きが増え、輸入量が増えました。
アメリカ国内に東南アジアで製造された家具や家電を運ぶため、アメリカの港にコンテナが急激に集まりました。
すると、国外と取引のために行き来をするので感染対策として隔離措置され、一定期間を開ける必要が出てしまい、回転が悪くなりコンテナをすぐ輸送に使うことができなくなったため、港で停滞させなければならない状況になりました。
そのような背景から、運送用のコンテナ単価が激増し、本来の運賃では運べず送料が何倍にも高騰してしまいました。
供給する為の木材も少ない中で、運送コストも爆発的に高騰し、それらも反映されて木材価格に大きく影響がでました。

【ウッドショックの原因④】ロシアのウクライナ侵攻も大きな影響!戦争の影響は木材以外にも大きく出ている!
日本が木材の供給元として頼っている主要な国々はアメリカ、カナダ、中国、インドネシア、ヨーロッパ、ロシア等々です。
ロシアがウクライナに侵攻したことをきっかけに、日本も含めて世界各国はロシアに経済制裁をしています。(現在も続行中)
経済制裁に対してロシアは【非友好国に対しては木材輸出を停止する】と発表しさらに孤立を強めています。
これが2022年の3月のことだったため、完全にウッドショックに追い風を与え悪い連鎖となり、材料としての木材を取り巻く環境より混とんとしたものになってしまいました。

頼りになるSUUMOさんの参考記事はコチラ

2 ロシアのウクライナ侵攻によって出ている影響

原因④でも触れましたが、ロシアの横暴は木材だけにとどまらない影響を住宅業界に与え続けているばかりか、国民生活にも大きな影を落としています。
原油の供給、天然ガスの供給、金属の供給などにも大きな影響を与え、住宅設備や建物を作る上で欠かせない建材の生産にも悪影響が出ており、
ほぼ全ての材料が10%~15%程度高くなってしまったため、建物の価格も値上げせざるを得なくなってしまった会社さんも多くあります。

日本の建築・建設業界がウッドショックとロシアのウクライナ侵攻で受けた影響まとめ
ウッドショックやロシアのウクライナ侵攻によって、日本の建築業界が受けた影響をまとめると次のようなものがあります。

★輸入木材高騰のあおりをもろに受けてしまいました!!材料を輸入に頼っていた建築業界の姿が浮き彫りになりました
日本は太平洋戦争の敗戦を受けた終戦直後に木材の需要が国土復興のため爆発的に高まりました。
そのため【森林の大量伐採、大量加工によって環境破壊】が起きました。
同時に里山の整備にも着手し需要増に伴って、大量の植栽が行われ、林業を振興しましたが、
木材は材料として活用できるまでにとても長い期間が必要なこと、木材を供給するには国土の面積が狭すぎる事や、
国土の特徴として高温多湿環境のため、そこで育つため材料としての質があまり良くない等の理由で、
輸入木材の方が安価でかつ高品質なために、継続して頼りきりの状況が現在まで続いてしまっています。
割合にすると、1955年頃の木材自給率は95%ほどで(参考に終戦が1945年だったことも書いておきます)、
2020年代の現在は35%程度になっています。
まとめると、6割を超える木材を輸入に頼っているという現状が日本の木材資源に対する現状です。

★ウッドショックが大きな引き金になって全国レベルで新築注文住宅や建売住宅の価格が暴騰!!
米国やカナダをはじめとする、世界各国で木材の国内需要が高まったことで、生産量の減産、輸送コスト爆増、さらにロシアのウクライナ侵略に対する報復への報復(変な表現ですが)、
これら全てが悪い形で連鎖複合しウッドショックがなかなか収束しません。輸入木材に頼るのではなく国内木材にラインをスライドした流通ベースもありましたが、
国内の需要供給のバランスが悪いために、大きい需要に対して細すぎる供給…という状況が続きました。
ウッドショックが起こった為に結果として、住宅価格が暴騰しました。

実際問題として・・・住宅価格の高騰はいつまで続く?大予測!!
長々と説明して参りましたが2021年から住宅業界、建築業界に激震を与え続けていますが、現在(2023年)そして今後はどうなっていくのでしょうか、大予想してみます。
木材に関しての動向 木材価格の暴騰⇒建築単価暴騰⇒工期への影響大⇒ようやく少し和らいできたところ こんな現状です。
それ以外の建材の動向 ガス、原油などのコストがロシアの影響で高騰しているため、輸送コスト原料高で全ての資材が高騰している状況です。

木材の輸入価格は軒並み落ち着きつつありますが、その他の資材がまだまだ高くなってしまっているという状況です。
ロシア・ウクライナ情勢楽観視できる状況ではない上、台湾有事なども予見されることから予断を許さない状態と環境です。
今後の動向予測としては、じわじわ価格的に戻り気味になっていくとは思いますがウッドショック以前の価格、体制に戻ることはないと予測しています。
一旦高騰した資材費が急激に元の値段に回復することは考えにくく、コロナ蔓延前の水準へ戻る予想をしている業界関係者は少ないでしょう。(微増レベルに落ち着いてほしいとみんな願っていますが)

3 住宅購入、家造り…今買う?今建てる?落ち着くまで待つ? 正解は?

ウッドショックから始まった価格高騰は、住宅産業だけでなく日本経済全体にとって、これまでのあり方、環境・生き方を大きく変えてしまう出来事でした。
建物を新築するのに絶対に必要である材料としての木材購入のコストが高騰すると当然全体としての原価も上がるという話ですから、仕入れ規模の大きいハウスメーカーはもちろん、工務店や地場のビルダーも、
同じように【工事請負額を高くしないと成立しない状態】になってしまいました。注文住宅の新築でも建売購入でも中古住宅の購入を迷っている方はこちらの記事を参考にしてみて下さい↓↓

【家を考える人必見】注文住宅?新築?中古購入?何から始めるべきか教えます【住まい探し】

お施主様としては、住宅取得の価格が高くなることは当然ダメージを大きく受ける状態なので皆一様に被害を受けているのは全く同じ状況です。
そうなると【今家を建てるのが正解か】、【落ち着くまで待つのが正解か】、この選択は正解が見えない問いかもしれません。
当然、正解はだれにも解らないという前提条件でですが、現在提示されている見積もりに納得できているのならGO!です。なぜなら、今後今提示されている金額で、
今以上の家が建てられる保証はどこにもないからです。むしろ何も事件等が無くても年々建築費用上がり続けていますので、同じ値段しか払わないのであれば建てられる家はドンドンしょぼくなります。
今後見込まれているコンクリートの値上がりや、工事の施工単価の上昇増加等も予測されています。ポイントは今提示されている金額で納得できるかここに絞って検討するといいのではないでしょうか。
また、進学や入学、土地決済のタイミング、健康年齢の概念などもあるので先送りはお勧めできません。
特に、子育て世代の方であればお子様が小さな内にマイホーム取得したいという想いはどこの家庭も強く、時期的な意味で
ストップをかけるのが難しいパターンもあり得ます。
建築価格が安くなるまで、、、と数年のスケジュール感で待っている間に、お子さんはドンドン成長してしまいます。
さらに言えば住宅会社は各社それぞれに仕様変更を続ける為、建材等の値上げが建築中におきたりすれば結果的に最終の支払い価格が上がってしまう、なんてことないとは言えません。
家を建てる、家を買うベストなタイミングは、そのご家庭ごとによって変わるので、目安を設けて進めるしか現状はありません。
この高騰状態がいつまで続くかは、いわゆる世界情勢によって大きく変わっていくため、今後を正確に予想予測するのは不可能です。その中でも自分の家族の事情と財布事情をしっかり見極めていただければと思います。

まとめると【材料としての木材供給が回復して、建築費コストが安くなってから家を建てる】という思考・判断は、一見すると、賢い考えに思えますが、
実は浅はかかもしれません。【本当に家が必要で家を建てたい時期】を逃してしまったり、【待ってみたものの建築費が全然安くならない】というリスクを考えると思いきるタイミングなのかもしれませんね。

★低金利、長期間の住宅ローンを有効活用する⇒今だから住宅ローンの状況はよくなっており、住宅を建てやすいと捉えること
★貰える補助、さまざまな助成金を有効活用する(こども未来補助や、自治体等においても補助金がもらえたりする場合があります)
等、有効に使えるものは使って、思い切りよく今建てる結論をだす方が賢い選択かもしれません。
補助金情報が気になる方はこちらから↓↓

【補助金情報】郡山市・須賀川市で新築を建てた際の補助金、助成制度情報まとめ

ディライトホームのコラム記事で住宅ローンに関しての記事はコチラから↓↓

最後に・・・

ディライトホームでは【木材の仕入れ】や【建築資材の購入】に関しては全国の工務店の仲間と協力し、共同購入や一括仕入れ等、いち早く平準化した金額で建物を建てられるように日々努力しておりますが、
現状、価格高騰前まで住宅の原価は下がっていません。家造りの為に欠かせない材料としての木材、住宅設備をしっかり見極め、なるべくいいものを少しでも安く提供できるように進めていきたいと思います。

2024年にはマイホームが欲しいとご検討中の方、建て替え、土地探し、住宅ローンの相談はもとより、デザイン住宅、アウトドアリビング、ジャグジー、ガレージに興味がある方は、
是非ディライトホームにご相談ください!施工エリアは福島県、郡山市、須賀川市、会津若松市、周辺なので、ご検討中の方はぜひこちらからご予約下さい。ご予約はこちらから↓↓

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