仕事や家事などで疲れた身体をゆっくりと休める部屋、それが寝室です。寝室は質のよい睡眠をとれる、居心地のよい部屋にしたいですよね。寝室のデザインや広さにこだわりを持つ方も多いですが、実は、窓も重要な要素の一つです。窓選びに失敗して、寝室を居心地の悪い空間にしてしまいます。
今回のコラムでは、寝室の窓選びの失敗例と、その対策方法を解説していきます。お部屋のデザインや広さと同様に、寝室の窓も上手に選んで快適なマイホームを手に入れましょう!
目次
寝室の窓選びはなぜ重要?上手に窓を選ぶための3つのポイント
疲れた身体を存分に休めるための部屋、それが寝室です。リビングやダイニングなどとは違い、寝室では活発に行動しないため、寝室の窓にはLDKとは違った要素が重視されます。
寝室の窓を選ぶ際には、以下の3つの点を抑えて考えましょう。
- 部屋に取り込む光量に合わせた窓の大きを選択する
- できるだけ外気の影響を受けない位置に窓を設置する
- 音や目線を考慮して窓の性能を選択する
寝室の窓を選ぶ際には、部屋に取り込む光の量を考えて窓の大きさを選ぶとよいでしょう。日中寝室で作業する場合などは明るい方が便利ですが、基本的に、寝室にあまり明るさは求められません。夜に身体を休めるだけの空間であれば、そこまで明るい必要はないですよね。
寝室につける窓の大きさや数を間違えると、眩しく感じたり明るすぎたりと、過ごしにくい部屋になってしまいます。
また、窓の配置を考える際は、外気の影響にも注目しましょう。窓の大きさや配置によっては、暑さや寒むさを感じることもあります。それ以外にも、音や周囲の目線を考慮して窓を選ぶとよいでしょう。寝室やベッドに合わせた窓選びも大切です。
寝室の窓選びに失敗しないために注意したい4つのポイント
すでにお伝えしたように、窓選びは寝室の居心地に大きく影響します。家具のように配置を変えることもできませんし、絶対に失敗は避けたいですよね。ここでは、寝室の窓を選ぶ際に注意したい以下の4つのポイントと、その対策方法を詳しくご紹介します。
- 道路沿いに窓をつける場合は騒音の影響を考える
- 東側に窓をつけると朝日の影響を受けやすい
- 西側に窓をつけると部屋が暑くなりやすい
- 窓とベッドの距離はできるだけはなす
1.道路沿いに窓をつける場合は騒音の影響を考える
道路沿いに寝室がある場合、周囲の騒音を考慮した上で窓の配置を考えましょう。敷地に面する道路の交通量によっては、車の騒音が気になることがあります。それ以外にも、近所に夜遅くまで営業しているお店があると、話し声が不快に感じるかもしれません。
騒音の問題は実際に住んでみるまで分かりにくいため、気を付けましょう。
以下の4つが、音の問題に対する対策方法です。
- 設計する前に、夜間の敷地の様子を見て周囲の音を確認する
- 寝室を道路沿いに配置しない
- FIX窓やすべり出し窓などの気密性に優れた窓を選ぶ
- 防音性に優れた窓を施工する
多くの方は、日中に敷地の様子を確認しに行くだけで、夜の状態までは把握していないのではないでしょうか。設計前に敷地の周囲の様子を把握し、道路の環境や位置を考慮した上で寝室を配置しましょう。また、周囲の環境に合わせて、窓の大きさや種類、性能を選ぶことも重要です。
2.東側に窓をつけると朝日の影響を受けやすい
窓の位置を考える際は、方位にも注目しましょう。季節にもよりますが、東側に窓をつけると朝早い時間に火が差し込みます。そのため、朝早く目が覚めてしまったり、眩しくてゆっくり眠れないなどの問題が生じるかもしれません。
以下の4つが、対策方法です。
- 窓をつける方位を生活スタイルに合わせる
- ベッドから離れた位置に窓を配置する
- 遮光性に優れたカーテンを選ぶ
- タイマー付きの電動シャッターを設置する
寝室の間取りを決める際は、窓を設置する方位も考慮しましょう。例えば、北や西の方角に窓をつけると、強い朝日は差し込みません。
もし、東側に大きな窓を設置する場合は、遮光性の高いカーテンを選らびましょう。また、タイマー付きの電動シャッターを設置する方法もあります。タイマー付きの電動シャッターなら、光が差し込む時間を事前に設定できて便利です。
3.西側に大きな窓をつけると部屋が暑くなりやすい
西側に大きな窓をつける場合にも東側に窓をつける場合と同様に日差しの影響を考える必要があります。特に、暑い季節は大きな窓から西日が差し込むため、部屋が暑くなりやすいです。
寝室の室温が高すぎると居心地が悪くなり、睡眠にも影響を及ぼします。また、毎晩室温を下げるためにエアコンの温度を下げると電気代が余計にかかるため、節約のためにも日差しによる影響は避けたいところです。
以下の3つの方法で対策すれば、日差しによる室温の上昇を緩和できます。
- 西側に窓を配置する場合は、できるだけ小さなものにする
- 断熱性に優れた窓やカーテンを設置する
- 部屋が暑くなる前にシャッターやカーテンを閉じる
もし、窓がつけられる場所が西側にしかない場合は、縦や横に長い小さな窓をとりつけましょう。また、性能のよい窓やカーテンの性能を設置し、部屋の中に熱を取り込まないようにすることが重要です。
4.窓とベッドの距離はできるだけ離す
寝室を暖かく居心地のよい空間にするには、窓とベッドの距離が重要です。デザイン性も重要ですが、窓の位置がベッドに近すぎると寒さを感じることも。
ベッドの幅に合わせて窓をつけた寝室は、デザイン性に優れていて魅力的ですが、窓と身体の距離が近すぎると、寒い季節には冷たい空気が入り込み暖まりにくくなります。快適性は居心地のよい寝室に欠かせません。
寝室の暖かさと快適性を損なわないために、以下の3つを意識して窓の配置を考えましょう。
- ベッドと窓の距離を離す
- 窓を高い位置につける
- ベッドの両脇に窓をつける
ベッドのヘッドボードの近くに窓をつけるのはおすすめできません。もし、窓を配置できる位置がそこしかない場合は、高い位置につけたりベッドとの距離を離したりして、身体と窓の距離を離しましょう。
寝室に適した窓は?おすすめの窓を紹介!
窓にはいろいろな種類のものがありますが、寝室にはどのような窓が適しているのでしょうか。ここでは、以下の4つに分けて、寝室に求める機能に合わせたおすすめの窓をご紹介します。
- 窓のタイプ
- 窓の大きさ
- 窓の数
- 窓の位置
1.窓のタイプ
防犯やプライバシーを考慮すると、外からの視線や侵入を防げるような窓が望ましいでしょう。
「フィックス窓」は開閉ができず、防犯面でも安心ですが、難点として換気が行えません。換気を行いたい場合は、「縦滑り出し窓」という蝶つがい縦に開閉できる窓がおすすめです。防犯面が気になる場合は、人が通れない小さいものを選びましょう。
外からの視線が気になる場合は、外から部屋の中が見えない「すりガラス」を使った窓がおすすめです。窓をつける位置にもよりますが、すりガラスならカーテンなどでの遮光が必要ありません。
2.窓の大きさ
開口部の大きな窓は光を多く取り込みますが、寝室に明るさは不要な場合も多いです。むしろ、大きな窓から熱が逃げてしまうため、外気が低温な時に室温が低下しやすくなります。
また、足元のあたりに窓をつけた場合、ベッド付近から熱が逃げるため、寝ている間に寒くなりやすいです。
寒さや朝日が気になる場合、「ハイサイドライト窓」をベッドの枕元の上に設置するのもよいでしょう。ハイサイドライト窓をつけて高い位置から光を入れれば、部屋の低い位置の温度が低下しにくくなり、朝日が直接顔に当たって睡眠を阻害されることもありません。
3.窓の数
寝室に必要な窓の数は、寝室に求める機能によって変わります。
換気のしやすさを重視する場合、空気が出入りするための、2つの窓が必要です。光を入れることだけが目的であれば、高窓が1つあれば問題ありません。開放感のある寝室にしたい場合は、高い位置に大きい窓を1つ設置するとよいでしょう。
クローゼットやタンスなどの収納を置くことの多い寝室ですが、窓がたくさんあると家具を置ける壁面の空間が減ってしまいます。
ベッドで寝たりくつろいだりするだけでなく、クローゼットや姿見を置いて身だしなみを整えたり、ドレッサーでメイクをしたり、プロジェクターを置いてくつろぎながら映画を楽しむなど、寝室の使い方はさまざまです。寝室の利用方法に合わせて窓の数を決めましょう。
4.窓の位置
寝室に面したバルコニーを作る場合、バルコニーへの出入り口となる「掃き出し窓」が必要です。
掃き出し窓をつけた寝室では、なるべく窓とベッドの距離を離し、カーテンは断熱性や遮光性に優れたものを取り付けましょう。また、2重ロックを採用するなど、防犯のための工夫も大切です。
部屋に光を入れることは大切ですが、寝室が眩しいと睡眠に影響を与える場合もあり、差し込む朝日や窓からの冷気で眠りが妨げられないように考慮して窓を配置しましょう。
かけ布団やマットレスなどが触れる位置に窓を配置するのはおすすめできません。結露が発生して寝具が湿るとカビが生えやすくなり、不衛生です。
まとめ
居心地のよい寝室にするためには、上手な窓選びが重要になります。道路沿いに寝室を設ける場合は、騒音の影響を考えて窓を選んで配置しましょう。それ以外にも、窓をつける方位や窓とベッドの距離も部屋の居心地に大きく影響します。
また、窓だけではなく、遮光性や耐熱性に優れたカーテンを取り付けるなど、快適性のために工夫できる点は窓選びだけではありません。カーテン以外にも、シャッターを設置する方法もあります。
求める機能や環境に合わせた窓を選んで、デザイン性と快適性を併せ持った理想の寝室を作りましょう!