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キッチンに冷蔵庫を配置するポイントを紹介!

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使いやすいキッチンを設計する上で、冷蔵庫の位置はとても重要です。冷蔵庫は、料理に使用するだけではなく、家族が毎日使用する収納家電でもあります。また、リビングとキッチンは隣接しているため、リビングからどう見えるかも重要です。

 

冷蔵庫を間違った位置に設置すると、料理をするときに不便だったり、来客時に冷蔵庫の中身が見えたりしてしまいます。そういった失敗をしないように、キッチンはよく考えて設計し、冷蔵庫を置く位置も慎重に選びましょう。

 

今回のコラムでは、冷蔵庫を置く位置を「使いやすい場所」と「見栄えがよい場所」に分けて、いくつかおすすめの位置をご紹介します。使いやすさを優先するのか、もしくは、見栄えを優先するのかを家族で相談して、理想のキッチンを作りましょう。

 

リフォームや新築を検討中の方の参考になれば幸いです。

作業効率が上がる!作業動線から決める冷蔵庫の位置

作業しやすいキッチンを設計するには、作業動線をしっかり考えましょう。

キッチンを設計する際には、冷蔵庫とシンク、コンロを繋いで三角形になるのが理想とされています。また、それぞれの間の距離を以下に示した長さに収めれば、どこからでも簡単にものを手に取れますし、移動も楽なので作業効率が上がります。

  • シンクから冷蔵庫 120~210センチメートル
  • 冷蔵庫からコンロ 120~270センチメートル
  • コンロからシンク 120〜180センチメートル

これらを意識したレイアウトを基本形として、それぞれのこだわりや好み、生活に合わせたキッチンを完成させましょう。

冷蔵庫の配置で後悔しない!事前に確認したい3つのポイント

「食品が取り出しづらい」「扉の開閉がスムーズにできない」など、設計の段階で気付かない、使いづらい配置を避けるために、以下の3つのポイントを踏まえてキッチンのレイアウトを考えましょう。

  1. 冷蔵庫扉の開き方
  2. 冷蔵庫の大きさ
  3. コンセントとの距離

1.冷蔵庫扉の開き方

商品やメーカーによって、冷蔵庫扉の開き方にはいろいろな種類があります。

片開きタイプは扉が大きく開くので、幅の広い通路が欠かせません。両開きのタイプは扉が小さく、片開きタイプほどの通路の幅は不要ですが、冷蔵庫の両側に余裕を持たせる必要があります。棚などをぴったり隣接させると、扉を全開にできなくなり、ものの出し入れがしづらく不便です。

片開きの場合は、扉の開く向きも事前に確認しておきましょう。壁の横に冷蔵庫を設置する場合は、扉が壁側に開く冷蔵庫を選択すると、壁が邪魔になりません。

冷蔵庫の横に壁がないオープンキッチンの場合は、料理のしやすさと、リビングとダイニング側からの移動のしやすさ、どちらを重視するかで使いやすい扉の向きが異なります。

リビングとダイニングからの移動のしやすさを重視する場合、キッチンの入り口側に冷蔵庫を置き、キッチン手前に向かって扉が開くものを選択しましょう。そうすれば、料理をしていても他の人が冷蔵庫を開けやすくなります。

もし、「どちらも捨てられない」「決められない」場合は、1つの扉が両側に開く片開きの冷蔵庫もあるので、両開き冷蔵庫と合わせて選択肢に入れておきましょう。

2.冷蔵庫の大きさ

見た目にこだわってキッチンを設計しても、冷蔵庫の大きさが周りの棚や家具よりも大きいとはみ出てしまい、デザイン性も利便性も低下します。また、大きすぎる冷蔵庫を選ぶと、通路の幅が狭まったり扉を全開にできなくなったりと、不便です。

そんな失敗を避けるためにも、冷蔵庫の大きさも考慮してキッチンを設計しましょう。なお、冷蔵庫の周りを塞ぐと冷却性能が落ちてしまうため、少し余裕を持たせる必要があります。

3.コンセントとの距離

特に、キッチンをリフォームする場合、「冷蔵庫を動かしたのに、設置先にコンセントがない…」ということがないように気を付けましょう。そんな失敗を避けるためにも、冷蔵庫の設置場所を決める際に、設置先にコンセントがあるかどうかを確認するのが大切です。

使いやすい冷蔵庫の位置は?おすすめの置き位置を2つ紹介

すでにお伝えしたように、冷蔵庫は小さい子どもから大人まで、家族全員が日常的に使う家電です。冷蔵庫を便利な位置に置くと、調理などの作業もやりやすくなり、家族がキッチンの中を行き交って使いづらくなることも避けられます。

以下の2つが、それぞれ、使いやすさと作業効率を重視したおすすめの置き位置です。

  1. 使いやすい!ダイニングから近い位置
  2. 作業がしやすい!シンクから近い位置

まずは、使いやすさを重視した冷蔵庫の置き位置を紹介します。

1.使いやすい!ダイニングから近い位置

ダイニングで食事をとっていたり、リビングでお茶を飲んでいるときに、冷蔵庫へものを取りに行くことがありますよね。

リビングやダイニングから冷蔵庫までの距離が短いと、そういった時にとても便利です。

ペニンシュラキッチンのように壁にカウンターが付いている場合は、キッチンの入り口付近に冷蔵庫を配置しましょう。

 

キッチンの入り口近くに冷蔵庫を設置すれば、小さな子どもでも簡単に冷蔵庫からものを取り出せます。また、キッチンの中を通らないため、高温な揚げ油や、シンクやカウンターに置いたままの包丁など、キッチンにある危険なものから遠ざけられるため安心です。

2.作業がしやすい!シンクから近い位置

 

すでにお伝えしたように、冷蔵庫からシンクまでの距離を120〜150センチメートルにすると、料理がしやすくなり、作業効率が上がります。120~150センチメートルは数歩で行き来できる距離なので、調理中の移動がとても楽です。

 

ですが、冷蔵庫とシンクの距離を縮めるために、冷蔵庫をシンクの真後ろに設置すると、かえって不便になるため気を付けましょう。シンクを使っているときに、他の人が冷蔵庫を開けるとぶつかってしまいます。

 

そのため、シンクの真後ろは避けつつ、2〜3歩で行き来できる距離に冷蔵庫を配置するのがおすすめです。

キッチンをおしゃれに!生活感が減る冷蔵庫の置き位置3選

冷蔵庫には、おしゃれで洗練されたデザインのものも多くありますが、生活感をなくすことは難しいです。

また、オープンスタイルのキッチンだと冷蔵庫を使った時に、冷蔵庫の中身がリビングやダイニングから見えるので、来客時に気を使うこともあるでしょう。

 

そんな問題を解消するべく、ここでは、キッチンの生活感をなくしておしゃれに見える冷蔵庫の起き位置を3つご紹介します。

  1. キッチンの奥に設置して目立ちにくくする
  2. ビルトイン冷蔵庫を設置する
  3. パントリーの中に冷蔵庫を設置する

1.キッチンの奥に設置して目立ちにくくする

ペニンシュラキッチンなどの片方が壁についたカウンターキッチンでは、キッチンの奥側に冷蔵庫を設置すると冷蔵庫が見えにくくなるため、生活感が目立ちません。

コンロはキッチンカウンターの壁の側に設ける場合が多いため、油が跳ねないようにコンロの前に壁を作ることがあります。そうした設計のキッチンでは、冷蔵庫の中身がリビングやダイニングから見えにくくなるため、来客があっても安心です。

 

ですが、料理をしていると他の人が冷蔵庫を開けにくくなるという難点もあります。そうなると、料理中でもすれ違う度に移動したり、冷蔵庫が開けにくくなるなど不便です。

 

冷蔵庫をコンロの真後ろに設置すると起きるこの問題は、キッチンの通路を広くすれば解決できます。そうすれば、調理中でも冷蔵庫の扉を全開にできて便利です。

2.ビルトイン冷蔵庫を設置する

ビルトイン冷蔵庫とは、背面収納の内側やキッチンカウンターの下部に冷蔵庫が埋め込まれているものをさします。

キッチンカウンターの下部などに設置された冷蔵庫から食品などを取り出せるので、料理がしやすくなり、とても便利です。また、冷蔵庫の存在感が消えることで、すっきりとしたキッチンになるでしょう。

 

背面収納の内側に埋め込むものは、冷蔵庫やその周囲も家具として整っているため、キッチンから生活感を感じさせません。

 

かなり大型な製品もあるため、料理が趣味の方にもおすすめです。

 

ですが、一般的な冷蔵庫が背面から熱を放出するのに対して、ビルトイン冷蔵庫は前面の下あたりから熱を逃すため、キッチンにいると空気の流れがいつもと違うと感じるかもしれません。

それ以外にも、ビルトイン冷蔵庫の修理や買い替えは大変であることも、難点としてあげられます。

 

また、キッチンカウンターなどに食器やものを収納できないため、それ以外に収納する場所を確保しなければなりません。

 

しかし、難点もありますが、ビルトイン冷蔵庫はデザイン性に優れており非常に魅力的です。生活感をなくしつつも存在感を発揮してくれるビルトイン冷蔵庫は、美しいキッチンを実現してくれます。

3.パントリーの中に冷蔵庫を設置する

キッチンの隣に設けることが多いパントリーの内部に、冷蔵庫を設置するレイアウトもおすすめです。冷蔵庫がまったく見えなくなるため、生活感のないおしゃれなキッチンを実現できます。

 

しかし、シンクやコンロから冷蔵庫までの距離が離れてしまうと、作業効率を低下させてしまうため、注意が必要です。パントリーの中に冷蔵庫を設置する場合は、扉のないパントリーに設置する、または、パントリーの扉を開けたままにできる設計にしましょう。 

 

まとめ​

使いやすいキッチンをつくるには、作業動線を考慮して冷蔵庫の位置を決めましょう。その他にも、冷蔵庫やシンク、コンロ、それぞれの距離もキッチンでの作業効率を左右する重要なポイントです。

この2つのポイントを踏まえつつ、「使いやすさ」と「見栄えと」のどちらを重視するかで、キッチンのどこに冷蔵庫を置くべきかが決まります。

 

ダイニングから近い位置に設置すれば冷蔵庫までの距離が短く便利ですし、作業のしやすさを優先する場合はシンクから近い位置がおすすめです。

生活感をなくし見た目にこだわりたい場合は、ビルトイン冷蔵庫を設置するのもよいでしょう。パントリーの中に設置すれば冷蔵庫を完全に隠すことができ、生活感のないおしゃれなキッチンを実現できます。

また、キッチンのレイアウトを考える際は、冷蔵庫を設置する場所だけではなく、冷蔵庫の大きさや扉の開き方、コンセントまでの距離を確認しましょう。

 

キッチンでは、日常的に料理や皿洗いなどの家事をするため、使いやすさは重要です。とはいえ、オープンキッチンが主流である昨今では、使いやすさや作業効率だけではなく、見た目にもこだわりたい方は多いのではないでしょうか。

 

キッチンの機能性やデザインについてじっくり家族と相談して、理想のキッチンに整えていきましょう!