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【建築部材】断熱材の種類やそれぞれの特性について解説!

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今回は【住宅に使用されている断熱材の種類について】ご紹介させて頂きます。断熱材は建物外部からの熱を防ぐ建物において大事な役割をもっています。しかし、断熱材の種類を理解しないまま使用してしまうと、自分が思っていた以上の断熱効果を得ることが出来ない可能性があります。また断熱材は各種類によって、材質や断熱効果も異なります。
それでは、断熱材の性質と種類について詳しくご紹介して行きます。よろしくお願いします。

断熱材の役割と断熱工法の種類

断熱材は、建物や機器などの構造物に使用される材料で、熱の移動を防ぐために設計されています。一般的には、断熱材は建物の壁、屋根、床などに取り付けられ、外部からの熱の侵入や室内からの熱の逃げを防いでくれる部材です。
断熱材は、環境にも配慮された建築や製品の設計において重要な役割を果たしています。エネルギー消費を削減し、建物の快適性や耐久性を向上させることが出来る住宅にとってなくてはならない大切な部材です。
断熱材の主な目的は、建物内部の温度を一定にし、熱効率を下げることです。冷暖房効果を最大限に発揮するために、断熱材は熱伝導率が低い材料で作られています。一般的な断熱材には、【無機繊維系】・【木質繊維系】・【天然繊維】・【発砲プラスチック系】に種類が分かれています。

断熱工法の種類

こちらでは、代表的な断熱工法である【外張り断熱】と【充填断熱】についてご説明します。

【外張り断熱】

外張り断熱は、建物の外部側に断熱材を取り付ける方法です。従来の内張り断熱とは異なり、断熱材は外壁の外側に配置されます。この方法は、建物の外部から熱の侵入を防ぎ、内部の温度を安定させる役目をもっています。外張り断熱にはいくつかの利点があります。
・熱損失の削減
外張り断熱は、建物の外部側に断熱材を配置するため、熱の移動を建物の外側でブロックします。これにより、建物内部の熱の損失を減らし、エネルギー効率を上げることができます。
・熱橋の削減
内張り断熱では、建物の構造体や柱などの熱橋が生じることがありますが、外張り断熱ではこれを減らすことができます。断熱材が外壁を覆うため、熱が建物内部に伝わる際に熱橋を形成する可能性が低くなります。
・建物の保護
外張り断熱は、外壁を断熱材で覆うことで、建物を外部の気象条件から保護します。特に気候が厳しい地域では、外張り断熱が建物の劣化を防ぐ効果も果たしています。
・室内の快適性
外張り断熱により、建物内部の温度がより一定に保たれるため、室内の快適性が向上します。冷暖房効果が向上し、居住者の快適性が向上します。

【充填断熱】

充填断熱は、建物や構造物の壁、天井、床などの空洞や隙間に断熱材を充填する方法です。この手法は、既存の建物や構造において、断熱性能を向上させるために広く利用されています。充填断熱は、断熱材を壁や天井の中に注入または詰め込むことで、熱の伝導を防ぎ、建物内部の温度を安定させる効果があります。
充填断熱にはいくつかの種類がありますが、主な方法には以下のようなものがあります。
・吹き付け断熱
断熱材を粉末や繊維状に加工し、専用の機械を使って壁や天井の中に吹き付ける方法です。この方法は、空間の形状やサイズに合わせて柔軟に適用することが可能です。
・注入断熱
壁や天井の中に穴を開け、その穴から断熱材を注入する方法です。注入する断熱材は、発泡プラスチックやセルロースファイバーなどが使われます。この方法は、既存の建物においても比較的容易に施工できる利点があります。
・詰め込み断熱
空洞や隙間に断熱材を手作業で詰め込む方法です。一般的には、断熱材のパネルやシートを切り、空洞にぴったりと収めます。この方法は手間がかかる場合がありますが、比較的低コストで実施できる場合があります。
充填断熱の主な利点は以下の通りです。
・熱損失の軽減
断熱材を壁や天井の中に充填することで、熱の伝導を防ぎ、建物内部の温度を安定させることができます。
・エネルギー効率の向上
 建物の断熱性能を高めることによって、冷暖房効果も最大化し、エネルギー効率を上げることができます。
・快適性の向上
 建物全体の温度を一定にすることによって、居住者の快適性が向上します。

断熱材と熱伝導率との関係性

熱伝導率は、その材料が熱をどれだけ伝導するかを示す指標です。熱伝導率が低いほど、断熱材はより優れた断熱性能を持ちます。一般に、断熱材の熱伝導率は W/m・Kの単位で表されます。
熱伝導率は耐熱性能が高い断熱材ほど、熱をより効率的に伝導します。一方で、熱伝導率が低い材料は、熱の伝導が遅くなります。この性質は、断熱材などの材料を選択する際に非常に重要です。

断熱材の種類紹介

こちらでは、各断熱材の仕様をご紹介させて頂きます。

【無機繊維系の断熱材】

無機繊維系の断熱材は、一般的にロックウールやガラスウールなどの材料を指します。これらの材料は、繊維状の構造を持ち、高温に耐えることができる無機質の材料で構成されています。以下に、いくつかの主要な無機繊維系断熱材を紹介します。
ロックウール
岩石から作られた繊維で、高温に耐える性質があります。
耐火性が高く、火災に対する安全性が高いため、建物の防火性能を向上させるのに適しています。
耐久性があり、湿気に対しても比較的耐性があります。
ガラスウール
ガラスの原料から作られた繊維で、断熱性が高く、耐火性があります。
軽量で柔軟性があり、施工が比較的容易です。
耐湿性が高く、湿気による性能の低下が少ないため、湿度の高い場所にも適しています。
【メリット】
・耐火性
無機繊維系の断熱材は、岩綿やガラスウールなどの無機質材料から作られています。そのため、耐火性が非常に高く、火災に対する安全性を高めることが出来ます。
・断熱性能
無機繊維系の断熱材は、空気を含んだ繊維の構造を持っており、熱の伝導を防ぐ効果があります。そのため、建物や機器の断熱性能を向上させ、エネルギーの消費を減らすことが可能になります。
耐久性
無機繊維系の断熱材は、耐久性が高く、湿気やカビ、虫などに対して比較的耐性があります。そのため、長期間にわたって安定した性能を維持することができます。
・環境への影響
無機繊維系の断熱材は、再生可能な原料から作られる場合があり、リサイクル可能な材料もあります。また、耐久性が高いため、長期的な使用により廃棄物の発生を減らすことができます。
【デメリット】
・吸湿性能による性能の低下
繊維状の断熱材は、空気中の湿気を吸収しやすい傾向があります。湿気を含んだ断熱材は、湿気や水分を含んでしまい、断熱材が圧縮されたり、繊維が崩れてしまい、断熱性能を低下させる可能性があります。
・皮膚刺激
ガラスウールなどの無機繊維系の断熱材は、繊維が微細であり、肌に触れると刺激を引き起こす可能性があります。施工時や取り扱い時には、適切な保護装備を着用する必要があります。
・空気中の微粒子放出
断熱材の繊維が空気中に放出される可能性があります。これにより、空気中に微粒子が浮遊することがあり、呼吸器系の問題を引き起こす可能性があります。適切な施工や換気が重要です。
・施工時の注意が必要
無機繊維系の断熱材は、施工時には適切な処理と取り扱いが重要です。繊維が飛散しやすいため、作業者の健康を守るためには、適切な作業環境を整える必要があります。

【木質繊維系の断熱材】

木材から作られる繊維状の材料で、建築や工業分野での断熱や音響吸収などに使用されます。一般的には、木材の製材工程で発生する副産物や廃材を原料として使用します。以下に、いくつかの主要な木質繊維系の断熱材を紹介します。
・木材を細かく砕いて繊維化したパネルで、繊維を接着剤で固めたものです。
・断熱性能や音響吸収性が高く、建築や内装材料として広く利用されています。
・比較的安価であり、リサイクル材料を使用して作られることがあります。
ウッドウール
・木材を粉砕して繊維化した材料で、天然の接着剤や添加物なしで成形されます。
・繊維の隙間に空気を含んでおり、断熱性が高く、また吸湿性や放湿性があるため、湿気の管理にも適しています。
・耐火性が高く、耐久性もあります。
木質繊維系の断熱材は、自然素材を使用しており、リサイクル可能な材料もあります。また、断熱性能や吸湿性、耐久性などの性能も高く、環境に配慮した建築や製品の設計に適しています。しかし、湿気に弱い場合があるため、適切な湿気管理が必要です。
【メリット】
・天然素材
木材から作られているため、自然素材であり、環境に優しいです。また、製造過程で化学添加物や有害物質が少ない場合があります。
・断熱性能
木繊維は空気を含んでおり、断熱性能が高い特性があります。建物内部の温度を安定させる効果があり、冷暖房のエネルギー消費を減少させることが出来ます。
・吸湿性
木質繊維は湿気を吸収しやすい特性があります。これにより、湿度の調整や調湿効果を持つため、室内の快適性を向上させる効果があります。
・耐久性
木質繊維系の断熱材は、比較的耐久性が高く、長期間にわたって安定した性能を維持することができます。
【デメリット】
・湿気への敏感さ
湿気に弱い場合があります。湿気を含むとその断熱性能が低下し、カビや腐食のリスクが増加します。
・施工時の注意が必要
施工時には、繊維が空中に舞いやすいため、適切な保護装備や換気を確保する必要があります。また、施工時には目や皮膚への刺激がある場合があります。
・価格
木質繊維系の断熱材は、一般的に他の断熱材よりも価格が高い場合があります。これは、製造プロセスや原料の処理にコストがかかるためです。

【天然素材系の断熱材】

植物や動物由来の天然素材を原料として製造されます。これらの断熱材は、自然の素材を使用しており、環境にやさしい特性を持っています。以下に、一般的な天然素材系の断熱材の例とその特徴をいくつか挙げます。
羊毛
・羊の毛から得られる断熱材で、優れた断熱性能と調湿性を持っています。
・耐火性が高く、防火性能があります。
・耐久性があり、長期間の使用に耐えることができます。
ヘンプ
・大麻植物から作られる繊維で、断熱材としての利用が増えています。
・軽量で柔軟性があり、施工が容易です。
・調湿性が高く、湿気の管理に効果的です。
ココナッツファイバー
・ココナッツの殻から得られる繊維で、断熱材や吸音材として使用されます。
・軽量でありながら耐久性があり、耐火性もあります。
・湿気に強く、カビや菌の繁殖を抑制します。
セルロースファイバー
・古紙などの再生可能な植物性原料から作られる断熱材です。
・施工が容易で、複雑な形状にも対応できます。
・調湿性が高く、湿気の調整に適しています。
【メリット】
・環境に優しい
天然素材系の断熱材は、自然由来の素材を使用しており、地球に負荷をかけずに製造されます。また、廃棄時も環境への悪影響を減らすことが出来ます。
・断熱性能
天然素材も、十分な厚みがあれば優れた断熱性能を発揮します。そのため、建物の断熱効果を高めることができます。
・調湿性
天然素材は通気性があり、湿気を調節する能力があります。湿度の変化に対して適切に対応し、室内の快適性を上昇させることができます。
・健康への影響が少ない
天然素材は一般的に無害であり、呼吸器系への影響が少ない場合が多いです。特にアレルギーや化学物質に対して敏感な人々にとっては、健康的な選択肢となります。
【デメリット】
・湿気に対する影響
天然素材は湿気に敏感であり、湿気を含むとその性能が低下する場合があります。湿気にさらされると、カビや腐食のリスクが高まります。
・耐久性
一部の天然素材は、耐久性が他の合成素材に比べて低い場合があります。長期間の使用に耐えることができない場合があります。
・費用
天然素材系の断熱材は、一般的に他の合成素材よりも価格が高い場合があります。原材料の入手や加工にコストがかかるためです。
・供給の制約
天然素材は、地域や季節によって供給が制限されることがあります。また、原料の生産には時間がかかるため、需要に対して供給が追いつかない場合があります。

【発泡プラスチック系の断熱材】

一般的に発泡ポリスチレン(EPS)、発泡ポリウレタン(PUR)、および発泡ポリイソシアネート(PIR)などの材料を指します。これらの材料は、発泡剤を添加して発泡させ、軽量で断熱性に優れた特性を持つように加工されます。
発泡ポリスチレン(EPS)
・ポリスチレンを発泡させて作られる断熱材です。
・軽量でありながら、優れた断熱性能を持ちます。
・主に断熱材、包装材、建築材料などとして広く使用されています。
発泡ポリウレタン(PUR)
・ポリウレタン樹脂を発泡させて作られる断熱材です。
・柔軟性があり、耐久性が高く、断熱性能が優れています。
・主に建築材料や断熱材、包装材として使用されます。
発泡ポリイソシアネート(PIR)
・ポリイソシアネート樹脂を発泡させて作られる断熱材です。
・発泡ポリウレタンと比較して、より高い防火性を持ちます。
・建築や工業用途で広く使用されています。
発泡ポリエチレン(PE)
・ ポリエチレン樹脂を発泡させて作られる断熱材です。
・柔軟性があり、耐水性が高いため、屋外や湿気の多い環境で使用されることがあります。
【メリット】
・高い断熱性能
発砲プラスチック系の断熱材は、細かい気泡構造を持つため、空気の移動を防ぎ、優れた断熱性能を提供します。建物の断熱性能を向上させ、エネルギー効率を上げることができます。
・軽量で取り扱いが容易
発砲プラスチック系の断熱材は、軽量であり、取り扱いが容易です。施工効率が高く、複雑な形状にも適用できます。
・耐久性が高い
発砲プラスチック系の断熱材は、耐久性が高く、湿気やカビ、虫などに対しても比較的耐性があります。また、腐食や劣化が少ないため、長期間の使用に適しています。
・防火性
発泡ポリウレタンなどの一部の発砲プラスチック系の断熱材は、特殊な添加剤を使用することで、防火性を高めることができます。
【デメリット】
・湿気への影響
湿気を吸収しやすい性質があります。湿気を含むとその性能が低下し、カビや腐食のリスクが増加します。
・環境への影響
一部の発砲プラスチック系の断熱材は、石油由来の原料を使用しており、製造や廃棄時に環境への負荷が発生する可能性があります。また、一部の発泡剤には環境への悪影響がある場合があります。
・施工時の注意が必要
発砲プラスチック系の断熱材は、施工時に発泡剤の微粒子が空中に舞い上がることがあります。これにより、作業者の健康への影響が懸念されます。

断熱材の選び方

こちらでは、リフォームやDIYなどご自身で断熱材を購入される際に、どのような点に着目して選べばいいかを紹介します。
・性能
断熱性能が重要です。断熱材の熱伝導率や耐久性を確認し、建物の断熱要件に適合する材料を選択します。
・安全性
断熱材の安全性も考慮する必要があります。人体や環境への影響が少ない素材を選ぶことが重要です。
・安全性
長期ににわたって性能を維持できる耐久性が重要です。湿気や虫、カビなどに対する耐性があるかどうかを確認します。

ディライトホームで使用している断熱材

壁・屋根断熱材:日本アクア現場発泡断熱材【アクアフォーム】

アクアフォームは現場発泡ウレタンで日本一のシェアを誇っています。アクアフォームは断熱性能が高く、発砲吹き付けの為、断熱を行いたい箇所の隅々にまでしっかりと密着し、自己接着力によってより正確に断熱処理を行うことが出来ます。
これにより、建物全体の気密性能も高めてくれます。気密性が高まると、断熱材の効果が最大限に引き出されます。外部からの熱や冷気、湿気や風が建物内に侵入しにくくなり、建物全体の断熱性能が高まると共に、構造部材や内装部材の劣化や腐食も抑制され、建物の耐久性も高めることが出来ます。
また、アクアフォームはフロンガスを一切使用しない環境にやさしい断熱材です。冷房エネルギーを通常よりも削減することができ、二酸化炭素排出の大幅削減にも繋げることができる画期的な商品となっています。

床断熱材:押出法ポリスチレンフォーム断熱材【kaneka】カネカライトフォーム

押出法ポリスチレンフォームは、建築や工業などの幅広い分野で広く使用されている断熱材のタイプです。 押出法ポリスチレンフォーム断熱材の特徴や注意事項について詳しく説明します。押出法ポリスチレンフォームは、その軽量性と密閉された細かいセル構造によって優れた断熱性能を持っています。この特性は、建築物の壁や屋根、床などの断熱材として非常に優れています高い断熱性能により、建物内の温度を安定させ、断熱効果を高めることが出来ます。

まとめ

いかがでしたか?今回は断熱材の種類やそれぞれの特性についての特集をしてみました!
断熱材は、建物のエネルギー効率や快適性に大きな影響を与える重要な要素です。適切な断熱材を選択することで、建物のエネルギー消費を削減し、住環境を改善することができます。建物の条件や用途に応じて、適切な断熱材を選ぶことが重要です。今回の内容を参考にして頂き、家族全員がより快適で住みやすいマイホームを建ててください!
福島県、郡山市、須賀川市、会津若松市周辺地域で新築住宅や注文住宅、デザイン住宅を検討中の方、建て替え、土地購入からの方、リノベか新築か検討している方、
ローンの相談、建てたい家の相談はぜひディライトホームにご相談ください!
モデルハウスに来場いただければ他には無いおしゃれな家を建てる為の提案が沢山あると思います!!自由設計で建築家と建てる家をぜひご検討ください。
自分達だけの素敵なマイホームを実現しましょう!!