「1/fの家 ～灯のように心地よい住まい～」

　計画地は、古い住居が立ち並ぶ中にあり、北側道路の幅員が狭い敷地となる。接道箇所が限定される為、駐車計画を充分に考慮して配置する必要がある。また、近隣住居との距離も近く、敷地が変形地の為、ゾーニングや配置計画が設計上のポイントになる。近隣からの視線を考慮してプライバシーが確保された住まいの設計を検討する。住宅の中は、周りを気にせず開放的で暮らしやすい住まいを目指しながら、生活感を感じないインパクトのある魅力的な設計をする。そこで大通り、近隣から室内が見られないように建物の躯体で庭を囲みこむ計画とした。庭と共にアプローチ部分も囲み屋根を設ける事で、カーポートからも雨に濡れずに安心して移動できるようにした。アプローチと合わせて囲む庭は広さも合わせる事で広がりを感じる計画とした。躯体で囲んだ中庭は南側の採光を取りこみやすいように高さを調整して、開放感や心地よい居場所となるようにし、室内へも十分に明るさを取りこむように計画した。敷地が異形であることでゾーニングをバランスよく配置して無駄なく広がりを感じるように全体を計画した。アプローチから入るとまずは広がりのある庭を臨みつつ、リビングに入り、吹き抜けの高さを感じながら奥へと続くＤＫにより暮らしの居場所を徐々に感じることが出来る。水回りや寝室は奥に配置することで、プライバシー空間とパブリック空間がきちんと分かれることで過ごしやすい住まいとなるように配置した。近隣を意識することなく室内は明るく開放的でロウソクの灯のように心地よく過ごせる住まいを目指して計画した。会津地方の中に灯をもたらし、街の中に灯篭のような住まいがインパクトと安心感を与える建物を計画した。