内包の家
計画地は閑静な住宅街の中に位置しており北西角が道路に接道しているが、接道距離が限定されるため駐車計画を充分に考慮する必要がある。また、敷地の南側のアパートが近い為、外部空間の考え方、採光の確保を検討し、充実した庭を確保する事がゾーニング計画のポイントになる。唯一開けている東側川沿い土手を利用しながら、プライバシーが確保されつつ、環境を楽しみ、豊かな暮らしを目指して設計をする。ヒヤリング当初二階建てのイメージから平屋に変更した事が理想的な住まいへと昇華されるような設計を目指す。
そこで、環境を読み解き、最大限敷地を活用できるように、南側に建つアパートからの影響を考慮し、敷地中央あたりに庭を確保する事が最善と考え、建物で囲むように計画した。敷地中央に配置した庭と接したリビングは更に土手へと奥行き感を感じ、開放感を得ることが出来る。また、天井も高くすることで、吹抜けの南面から採光も確保され、開放感と明るさの両面を取りこむ事が出来る。リビングや庭を眺めるようにキッチンとダイニングが並び、主寝室も庭に面して配置することで、どこからも見られることのないプライバシーの高い住まいとすることが出来る。
ご夫妻共にキャンプや山登り、スキーなどアウトドアの趣味が多い為、倉庫を確保し、駐車場への出し入れもしやすく、かつ、暮らしながら中庭でも利用できる位置に配置した。中庭に意識や視線が向かい、生活空間を内側に包み込みながら、暮らしの空間はプライバシーが確保された住まいとなるように計画した。外部を意識することなく内側に向かいながら、趣味や景色を楽しめる豊かな住まいを目指して設計した。