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注文住宅の費用相場は?予算別の特徴や費用を抑えて建てる方法4選を解説

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注文住宅をお考えの方で、以下のようなお悩みはありませんか?

  • 注文住宅にはどのくらいの費用がかかるのか知りたい
  • 予算に合わせてどのような注文住宅が建てられるのか気になる
  • なるべく費用を抑えて注文住宅を建てたい

注文住宅を建てる際、費用面は大きな関心事の一つです。しかし、費用相場や内訳を把握していないと、予算オーバーを招いてしまう可能性があります。

本記事では、注文住宅の費用相場や予算別の注文住宅の特徴、費用を抑えて建てる方法などを開設します。

注文住宅の建築を検討する際の、予算シミュレーションにぜひお役立てください。

注文住宅を建てる際にかかる費用相場

注文住宅を建てる際にかかる費用相場

注文住宅を建てる際にかかる費用は、大きく分けて建築費用と土地の取得費用の2つがあります。

  • 注文住宅の建築費用相場
  • 土地込みの注文住宅の費用相場

それぞれ詳しく解説します。

注文住宅の建築費用相場

国土交通省の令和4年の調査で、注文住宅を建てる際にかかる費用相場は、注文住宅の建築費用の全国平均は3,866万円でした。延床面積の平均は約37坪で、1坪あたりの費用は約104万円です。

都市部で注文住宅を建てる場合、地方よりも費用相場が高い傾向です。地域ごとで建築費用に差があるため、建てたい場所の相場を事前に確認しておきましょう。

また、建築費用は建物の構造や設備、使用する材料などでも大きく変わってきます。例えば、鉄筋コンクリート造は木造に比べて費用が高くなる傾向です。

注文住宅をオーダーする際は、予算と優先順位を明確にして、ハウスメーカーと相談しながら慎重に検討していきましょう。

土地込みの注文住宅の費用相場

国土交通省の令和4年の調査では、土地の取得費用の全国平均は1,819万円でした。敷地面積の平均は約75坪で、1坪あたりの費用は24万円です。

土地の取得費用は地域ごとで差があり、都心部などの人気エリアでは1坪あたりの単価が高騰しています。一方で、郊外や地方都市では、比較的安価に土地を購入できる場合もあります。

土地の選定は、予算だけでなく、利便性や将来的な資産価値などの考慮も必要です。また、土地の形状や接道条件、建ぺい率や容積率などの建築制限も確認しておきましょう。

注文住宅の土地選びは、ハウスメーカーや不動産会社と相談しながら慎重に進めるのが、費用で損をしないポイントです。

注文住宅にかかる費用の内訳

注文住宅にかかる費用の内訳

注文住宅にかかる費用の内訳は以下のとおりです。

  • 土地の取得費用
  • 建築費用
  • 諸費用

それぞれ詳しく解説します。

土地の取得費用

注文住宅を建てる場合、土地を持っていない方は土地の取得費用が必要です。全国平均では1,819万円ほどかかりますが、地域や広さで異なります。

土地の取得費用は、土地そのものの価格だけでなく、不動産会社への仲介手数料や印紙代、登記費用なども含まれます。

仲介手数料は売買価格の3〜5%、印紙代は売買契約書に貼付する収入印紙で、売買価格に応じて金額が決まっています。

登記費用は、土地の売買価格や面積で変わりますが、10〜20万円が相場です。

土地の取得では、さまざまな税金も発生します。不動産取得税は土地の取得価格の3%、固定資産税は土地の固定資産税評価額に課税標準額をかけた金額です。

さらに、都市計画税や登録免許税なども必要な場合があります。注文住宅の土地取得では、土地の取得費用も含めて予算を立てるようにしましょう。

建築費用

注文住宅の建築費用は、大きく分けて本体工事費用と別途工事費用の2つがあります。

本体工事費用は、建物の基礎や躯体、屋根、内装などを施工するための費用で、別途工事費用は外構工事や設備工事にかかる費用です。

本体工事費用の主な内訳は以下のとおりです。

  • 基礎工事
  • 躯体工事
  • 屋根工事
  • 外壁工事
  • 内装工事
  • 建具工事

一般的に、基礎工事と躯体工事で建築費用全体の約50%を占めます。

また、内装工事では、キッチンやバスルーム、トイレ、洗面化粧台など、水回りの設備機器の割合が高くなる傾向です。

一方、別途工事費用は、外構工事(門扉や塀、カーポート、ウッドデッキなど)の費用と設備工事(給排水設備や電気設備、空調設備など)の費用が含まれます。

別途工事費用は、本体工事費用の10〜20%が相場です。

諸費用

注文住宅の建築では、設計費用、各種手続き費用、税金などの諸費用が発生します。

設計費用は、設計事務所や工務店に支払う設計料で、建築費用の5〜10%が相場です。

各種手続き費用は、建築確認申請費用や地盤調査費用、水道・ガス・電気の引き込み工事費用などが含まれます。各種手続きの費用は、建築費用の1〜3%が目安です。

また、税金では消費税や不動産取得税、登録免許税などがあります。消費税は建築費用に対して課税されますが、土地の取得費用には非課税です。

不動産取得税は土地と建物の取得価格に対して課税され、税率は3%(住宅用土地は2%)で適用されます。

登録免許税は、所有権移転登記に際して課税され、土地は1.5%、建物は0.4%の税率が適用されています。

また、住宅ローンを利用する場合は、ローンの諸費用も発生します。借入金額や返済期間で異なりますが、手数料や保証料、火災保険料などが必要です。

【相場別】注文住宅の間取りの特徴

注文住宅の間取りの特徴

予算別に、どのような注文住宅が建てられるのか見ていきましょう。

  • 1,000万円台の間取りの特徴
  • 2,000万円台の間取りの特徴
  • 3,000万円台の間取りの特徴
  • 4,000万円台の間取りの特徴

それぞれ詳しく解説します。

注文住宅の費用が1,000万円代の間取りの特徴

1,000万円台の注文住宅は建築費用相場の約3分の1のため、複雑な外観やこだわりの材料を使った内装などは難しいです。

ただ、シンプルで空調などの必要最低限の設備を揃えた住宅なら、問題なく注文住宅を建てられます。

また、あまり家を広くしてしまうと外壁費用が高くなり、1,000万円台に収まらなくなる可能性があるので注意が必要です。

注文住宅の費用が2,000万円代の間取りの特徴

2,000万円台の注文住宅も、全国平均の注文住宅費用よりも低いですが、1,000万円台の注文住宅より充実した注文が可能です。

例えば、断熱材や耐震材、システムキッチンなどの注文もできます。ただ、外装や内装にこだわるのは難しいでしょう。

ただし、優先順位を明確にすると、希望に近い注文住宅の建築も可能です。

注文住宅の費用が3,000万円代の間取りの特徴

3,000万円台の注文住宅は、ある程度グレードの高い外装や内装、設備を整えられます。

耐震や断熱はもちろん、耐久性の高い外壁も選べるため、快適な生活が実現しやすいです。

ただし、3,000万円台でもまだ注文住宅の建築費用相場には満たないため、完全に希望通りの注文はできないケースもあります。

注文住宅の費用が4,000万円代の間取りの特徴

4,000万円台の注文住宅は、全国平均の建築費用よりも高くなっており、ほぼ希望どおりの注文住宅が建てられます。

充実した外壁や内装、設備に加えて、バルコニーや屋上、デザイン性の高い外観作りなども実現できます。

また、一般的な形の住宅ではなく、複雑な形の家を建てるなどのこだわりも実現できるかもしれません。

そのため、こだわりたい方や完璧を目指す方であれば、4,000万円以上の予算を用意しておくのがおすすめです。

注文住宅にかかる費用を抑えて建てる4つの方法

文住宅にかかる費用を抑えて建てる4つの方法

注文住宅にかかる費用を抑えて建てる方法を見ていきましょう。

  • 外観はシンプルにする
  • 延床面積を抑える
  • 水回りを1箇所にまとめる
  • 後から変更可能な場所の費用を抑える

それぞれ詳しく解説します。

外観はシンプルにする

注文住宅にかかる費用を抑えて建てたい場合、外観をシンプルにするのがおすすめです。複雑な外観や凹凸の多い外観を注文すると建築に手間がかかるため、工数が増えてしまいます。

できるだけ四角く正方形に近い外観であれば、費用も抑えられるだけでなく、耐震性も期待できます。また、外観費用が浮いた分、内装や設備に費用を使えます。

以下の記事では、外観のデザインと費用、耐震性のバランスを考えた注文住宅の建て方に関して詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

注文住宅の外観デザイン特集!レッドシダーやガルバリウムでおしゃれな外観を造ろう!

延床面積を抑える

延床面積を抑えるのも、注文住宅の建築費用削減につながります。延床面積とは、各階の床面積の合計を指し、床面積が大きいほど建築費用も高くなる傾向です。

ただし、単純に延床面積を小さくすればよいわけではありません。生活に必要な動線や収納スペースを確保しつつ、無駄のないプランニングが求められます。

無駄のないプランニングをするためには、ハウスメーカーや設計士と綿密に打ち合わせを行い、要望や生活スタイルに合わせた適切な間取りが重要です。

具体的に延床面積を抑えるには、吹き抜けや階段、廊下などの共用部分を減らしたり、各部屋を最小限の広さにしたりするのが挙げられます。

また、ロフトやスキップフロアを取り入れると、少ない面積でも立体的な空間を演出できます。

しかし、あまりに延床面積を小さくしすぎると生活の質が低下してしまう恐れもあるため、将来的なライフスタイルの変化も考慮していきましょう。

水回りを1箇所にまとめる

水回りを1箇所にまとめるのも、注文住宅の建築費用を抑えるのに効果的です。水回りとは、キッチンやバスルーム、トイレ、洗面所などの水まわり設備を指します。

水回りを複数箇所に分散させると、配管や排水管の距離が長くなり、工事費用が高くなる傾向です。

また、設備機器の数も増えるため、イニシャルコストだけでなく、ランニングコストも増大してしまいます。

一方で、水回りを1箇所にまとめると配管や排水管をシンプルにできるため、工事費用を抑えられます。

さらに、設備機器の数を最小限に抑えられるため、イニシャルコストとランニングコストの削減にも効果的です。

ただし、水回りを1箇所にまとめるとプライバシーが確保しづらくなったり、同時に使用できなくなる可能性もあります。

家族構成や生活スタイルに合わせて、適切なレイアウトの検討を意識してみてください。

後から変更可能な場所の費用を抑える

注文住宅の建築費用を抑えるには、後から変更可能な場所の工事費用を抑えるのも有効です。

具体的には、内装や設備など、将来的に交換や修繕が必要になる箇所に、初期段階では必要最低限の投資に留めておく方法です。

例えば、フローリングや壁紙、照明器具などは、数年から数十年で交換が必要になる場合があります。

そのため、注文住宅を建てる際には、グレードを抑えめにしておくと、イニシャルコストを削減できます。

将来的に予算に余裕ができたタイミングで、好みのデザインや高品質な素材に変更すればよいでしょう。

また、キッチンや浴室、トイレなどの水回り設備も、後から交換可能な場所の一つです。

これらの水回り設備は、機能性や耐久性、デザイン性などで価格差が大きいため、初期投資を抑えれば建築費用を節約できます。

ただし、配管や排水管の位置を変更する場合は、大規模な工事が必要になるため、慎重に検討するのが大切です。

注文住宅の相場に関するよくある質問

注文住宅の相場に関するよくある質問

注文住宅の相場に関するよくある質問を見ていきましょう。

  • 注文住宅の費用相場は30坪の場合どれくらいですか?
  • 注文住宅の価格の実例にはどのようなものがありますか?

注文住宅の費用相場は30坪の場合どれくらいですか?

注文住宅の全国平均の相場は、建築費用で1坪あたり約104万円、土地取得費用で1坪あたり24万円です。

そのため、30坪の注文住宅の建築費用は3,120万円、土地取得費は720万円かかります。ただし、30坪の注文住宅を建てる場合、土地は30坪以上必要なので、720万円以上必要です。

参考:国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査報告書」

注文住宅の価格の実例にはどのようなものがありますか?

主な注文住宅価格の実例は、以下のとおりです。

注文住宅の費用相場を把握して建てる前に予算をシミュレーションしよう!

注文住宅 まとめ

注文住宅を建てる場合、土地と建築費用合わせて、5,685万円ほど必要です。

土地を保有している方の場合、1,000万円台からでもシンプルな注文住宅なら建てられるかもしれません。

外観をシンプルにしたり、延床面積を抑えたり、水回りを1箇所にまとめるなど費用を抑える工夫をすると、より理想に近い注文住宅を建てられるはずです。

ただし、希望を充実させたい場合は、3,000万〜4,000万円以上は用意しておく必要があります。

これから注文住宅を検討している方は、費用の内訳を把握して必要な予算をシミュレーションしてみてください。