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注文住宅で「小上がり」を取り入れる方法とは?!パターンごとの実例を踏まえて徹底解説!

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独立した和室と比べて何かと便利な「小上がり和室」。近年、新築・リフォームを問わず導入されることが増えています。ご自宅に小上がり和室の設置をしようか考えているものの、「小上がり和室の使い勝手を知りたい」「作った後に後悔したくない」疑問悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。

 

今回のコラムでは、小上がり和室を導入するメリットとデメリット、設置後に後悔しないための注意点などを詳しくお伝えします。

 

また、小上がり和室と独立した和室を比較して、それぞれの特徴やメリットも詳しく紹介しているので、小上がり和室の設置を検討中の方は参考にしてみてください。

目次

小上がり和室と普通の和室の違いは?それぞれの特徴と用途を紹介

近年、人気が高まっている小上がり和室。ですが、在来の和室とは一体なにが異なるのでしょうか。ここでは、それぞれの特徴や用途、比較の結果などを以下の3つに分けて詳しくお伝えしていきます。

 

  • 小上がり和室の特徴と用途
  • 在来の段差が少ない和室の特徴と用途
  • 小上がりと在来の和室、どちらを選ぶべき?

 

小上がり和室と独立した和室、それぞれの和室の特徴と用途、どのような方におすすめなのかをお伝えします。以下の表は、小上がり和室と在来の独立した和室を簡単に比較したものです。

 

小上がり和室在来の独立した和室
一段高くなっている段差がほぼない(低い)
立体感を感じられる空間が広く感じられる
収納スペースが生まれる押入や床の間を設けられる
既存の部屋に設置できる独立している

 

 

和室と言われて想像するのは、客人を通したり仏壇を置いたり、寝室として利用する部屋ではないでしょうか。在来の独立した和室と同様に、小上がり和室もさまざまな用途で使用できますが、小上がり和室は既存の部屋の中に設置されることが多い和室です。

 

小上がり和室の特徴と用途

 

先ほどもお伝えしたように、小上がり和室の使い方はさまざまです。布団を敷いて寝室として使うのはもちろんのこと、生活や好みに合わせて以下のように活用できます。

 

  • 客間にする
  • 仏壇を置く
  • 子どもが過ごす場所にする
  • 寝室にする
  • 在宅ワーク中の個室として使う
  • おむつ交換や寝かしつけなどの育児スペースにする

 

畳が心地よい小上がり和室はリラックスする場所としてだけではなく、多種多様な使い道のある便利な空間です。仕切りを設置すれば簡易的な個室が完成するので、在宅ワーク中の仕事部屋としても活用できます。

 

部屋から一段高い小上がりは、洗濯物を畳んだり、おむつ交換にも便利です。また、キッチンやリビングの近くの小上がりを設置すれば、家事をしていても目の届く場所で子どもを遊ばせられます。そういった場合は、視線を遮る仕切りは付けずにおきましょう。

 

このように、小上がり和室であれば客間や寝室、仏間として活用するだけではなく、仕事や家事、育児をするスペースとしても活用できるのが特徴であり魅力です。

 

在来の段差が少ない和室の特徴と用途

 

小上がりと違い段差のない在来の和室は、畳を敷き詰めた伝統的な和室を元につくられた空間です一般的に、客人を通したり仏壇を置いたり、家族団らんできるリラックスした空間として使用されます。

 

段差のない平坦な在来の和室は座卓や座布団などが置きやすく、昔から日本に根づいている「低座背活」に適した部屋です。

 

ひとつの部屋として設けられることもあれば、リビングなど部屋の中に設置される場合もあり、部屋をひろびろとしているので小上がり和室よりも圧迫感を感じません。

 

また、小上がり和室と違い部屋との境目に段差が少ないため、つまずいたり踏み外す危険が低いのがメリットです。

 

小上がりと在来の和室、どちらを選ぶべき?

小上がり和室と在来の和室、それぞれに特徴や魅力があります。どちらを設置するか決めかねているのであれば、設置後の使い道を考えてみましょう。

 

例えば、以下の4つを実現したい方には小上がり和室がおすすめです。

 

  • 限られた空間に収納を設けたい
  • ゴミやホコリが入りにくい空間にしたい
  • さまざまな用途に活用したい
  • どのように活用するかすでに想像できている

 

反対に、以下の3つを希望する方には段差の少ない和室が適しています。

 

  • ご高齢の方や小さい子どもでも安心して使える空間にしたい
  • ロボット掃除機を利用したい
  • 設置する部屋が狭い、天井が低い

 

幅広く活用できる便利な小上がり和室ですが、希望する用途や設置先の環境によっては適さないこともあります。そういった場合は、小上がり和室に代わり、在来の和室の導入を検討してみましょう。

 

リビングに小上がり和室を設置する4つのメリット

小上がり和室の導入に悩んでいるのであれば、まずは、小上がり和室を設置するメリット・デメリットを把握してみるのがおすすめです。

 

小上がり和室の特徴を理解した上で、設置後の用途を事前に考えておけば、失敗を避けやすくなります。

 

まずは、小上がり和室を導入するメリットから把握しましょう。 以下に、小上がり和室を導入するメリットをまとめました。

 

  1. 段差を収納として活用できる
  2. ベンチのように複数人で並んで座れる
  3. 空間に立体感が生まれる、メリハリがつく
  4. ベッドとして活用できる

 

小上がり和室と在来の和室の大きな違い。それは「大きな段差」が生まれることです。この特徴から、在来の段差が少ない(無い)和室と比べて便利で、さまざまな用途に利用できます。

 

では、小上がり和室を設置するメリットを詳しくみていきましょう。

段差を収納として活用できる

 

小上がり和室の特徴である大きな段差は中にスペースがあり、追加の収納として活用できるのがメリットとして挙げられ、簡単に収納スペースを増やせるのが魅力です。

 

家の小さく収納スペースが不足している場合や、物を見せないスタイリッシュなLDKを目指している場合などは、小上がり和室の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

ベンチのように複数人で並んで座れる

 

小上がり和室の大きな段差は、腰を下ろして少し休憩するのに丁度よい高さです。幅のある段差に横に並んで腰を下せるので、家族でリラックスしたり来客時に談笑したり、さまざまな場面で大いに役立ちます。

 

大きな段差に腰を下すことで在来の和室に座るよりも目線が高くなり、テレビの画面が見やすくなるのもうれしいポイントです。

 

また、正座が難しい人が利用する場合は、掘りごたつを導入すれば誰でもリラックスできる空間になりますよ。

 

空間に立体感が生まれる、メリハリがつく

 

洋風のLDKに和風の小上がりをつくると、メリハリが生まれてスタイリッシュな部屋に仕上がります。大きな段差が立体感や奥行きを感じさせ、なんとなく締まりのないLDKもスッキリとした雰囲気になるのが魅力です。

 

空間に余裕のあるLDKに憧れを抱く方は多いですが、いざ過ごしてみると、なんとなく寂しくて変化が欲しいと感じる場合もあるのではないでしょうか。

 

小上がり和室を導入すれば間延びした部屋に変化が生まれるので、空間のイメージチェンジを目的として後から設置する方も多くいらっしゃいます。

 

ベッドとして活用できる

気持ちよく横になれる小上がり和室は寝室にも適しています。段差が少ない在来の和室に布団を敷くと、ご高齢の方など、人によっては布団から出るのに手間取ってしまうかもしれません。

 

ですが、大きな段差のある小上がりの和室であれば、ベッドかのように段差を使って簡単に布団から出られます。

 

段差の少ない在来の和室を寝室とするよりも、布団への出入りする際の負担が少ないので、身体に負担をかけられない方や療養中の寝室としても大いに活躍するでしょう。

 

さらに、上がり和室に押し入れを作れば布団を入れておけるので、ベッドを設置する程、空間に余裕がない場合でも安心です。また、昼間は寝室とは違った用途で部屋を使うこともできるでしょう。

 

在来の段差が少ない和室だと地べたに横たわるようで落ち着かない方もいるのではないでしょうか。部屋よりも一段高い小上がり和室は、ふと横たわって休憩したい時にも便利です。

 

また、在来の和室のように段差がないと隣接する空間からホコリやゴミが入ることがありますが、小上がり和室の大きな段差はゴミやホコリが入ってくるのを軽減してくれるので、「床に直接横たわるのは気が引ける、でも寝転がりたい!」という方でも気兼ねなくリラックスできます。

 

リビングに小上がり和室を設置する5つのデメリット

 

使い道が多く何かと便利な小上がり和室ですが、いくつか欠点もあります。注文住宅やリフォームで多く取り入れられていますが、思ったよりも不便で使わなくなる方もいるようです。

 

使いやすい小上がり和室を完成させるには、設置先の部屋のサイズや、和室の利用方法を考慮した合わせた大きさにしなければなりません。また、小上がりの特徴である大きな段差はデメリットも生み出します。

 

導入後に後悔しないためにも、設置前に欠点を把握しておきましょう。

 

ここでは、小上がり和室のデメリットを5つご紹介します。

 

  1. バリアフリーを妨げてしまう
  2. 空間に圧迫感が出る
  3. ロボット掃除機で掃除ができない
  4. 段差を踏み外したりつまずく可能性がある
  5. 散らかりやすい

 

 

バリアフリーを妨げてしまう

家族に高齢者がいたり、これからの老後を念頭に置いて設置するのであれば、小上がりの段差を低くすると使いやすくなります。

 

そもそも、段差のある小上がりはバリアフリー住宅に適さないため、先の老後を考慮して移動生活が苦にならないための対策が必要です。

 

例えば、段差を高くしない、踏み台を設けるなど、何かしらの工夫が欠かせません。

 

空間に圧迫感が出る

 

空間に余裕がない部屋に小上がり和室を設置すると、圧迫感が出て部屋が小さく感じることがあります。設置先の部屋の面積や天井の高さ、設置位置も印象を左右する大切な要素です。

 

小上がり和室は空間に奥行きを持たせ変化をつけてくれますが、主張が強く、部屋が実際より小さく感じる欠点があります。

 

狭い部屋に導入する場合は、見た目に影響を与えないよう段差を低くしたり、段差のない和室の設置も視野に入れて考えてみましょう。

 

また、仕切りなどを設けず、スッキリとした外観の小上がり和室に仕上げるのも選択肢の1つです。40センチメートル程の段差だと部屋と切り離された印象を感じますが、段差を低くするとその印象も薄らぎます。

 

ですが、段差が低いと気付きにくいため、足を引っかけるリスクも考慮しなければなりません。

 

また、リビングルームなどの生活動線上に小上がりを設置すると、段差に足をぶつけたり、移動の邪魔になることが考えられます。そういった場合には、小上がりの角を「すみ切り」するなどして対応するのがおすすめです。

 

ロボット掃除機で掃除ができない

 

家事の負担を軽減してくれるロボット掃除機。ですが、小上がりには段差があるため、ロボット掃除機で部屋をキレイにしている場合でも、小上がり部分だけは自力で掃除する必要があります。

 

また、30センチメートル以上の段差がある小上がりを掃除する場合は、掃除機を持ち上げて移動しなければならないので面倒だと感じるかもしれません。

 

普段の掃除で大きな段差を上り下りするのが苦痛だと感じる人も多いのではないでしょうか。広さによっては、掃除機で掃除しづらい場合もあります。

 

段差を踏み外したりつまずく可能性がある

小上がり和室と隣接した空間の間には大きな段差があるため、段差を踏み外したりつまずいたりする危険性があります。特に、ちいさい子どもや高齢者が家族にいる場合は十分に気を付けましょう。

 

ハイハイやヨチヨチ歩きをしている子どもは、頭から落下して怪我をしやすいので、必ず大人が見守っていなければなりません。

 

それが不可能であれば、ベビーサークルを置いたり、ふすまを閉じておくなど、子どもの怪我を防ぐ工夫が必要です。

 

散らかりやすい

 

小上がり和室の用途がハッキリしていないと、雑多なもの置き場になってしまうことがあります。普段から欠かさず整理しておかないと、気付いたら服やおもちゃが散らかった仮置き場になってしまうでしょう。

 

お金をかけて憧れの小上がり和室を作ったのに、大切な場面で活用できないともったいないですよね。

 

「小上がり和室に物を増やさない」「毎日かかさず整理整頓する」などの決まりを作って、きれいに保つことを心がけましょう。

 

また、物の置きっぱなしを避けるために、簡単に物を収納できる仕組みを作ることも重要です。

 

小上がり和室の設置費用は?ケース別に費用相場を紹介

 

既存の部屋に後付けする場合やリフォームする場合など、小上がり和室の設置には一体どれくらいの費用がかかるのでしょうか。ここでは、小上がり和室の導入にかかる費用の相場をケース別にご紹介していきます。

 

  • 畳数
  • 畳の種類
  • 畳の素材
  • 付加設備の設置

 

畳数

設置先の部屋は改装せずに小上がり和室だけを新しく設置する場合、施工にかかる費用の相場は以下のようになります。

 

畳数費用相場
3畳15万円以上
4畳20万円以上

 

 

注意点として、小上がり和室を新しく作るだけではなく、LDKも合わせてリフォームする場合は、天井や壁にも手を加えるためかかる費用も高額です。

 

リビングやダイニング全体をいっぺんに施工するのであれば、合計で50万円以上かかることも想定しておきましょう。

 

畳の種類

 

敷き詰める畳の種類が異なれば、小上がり和室の雰囲気や設置にかかる費用にも違いが出ます。費用相場は以下の通りです。

 

畳の種類1畳あたりの費用相場
縁付きの畳(一等品)11,000円以上
縁のない畳(琉球畳)17,000円以上

 

 

一般的な縁付きの畳と違い、縁がない「琉球畳」は縁付き畳の2分の1サイズで、ぱっと眺めた程度では何畳か把握しづらいため空間を広く感じさせます。

 

また、小上がりがモダンな仕上がりになるので洋室との相性もよいです。ですが、一般的な畳と比べて1.6倍以上もの費用が必要になる点には注意しましょう。

 

畳の素材

 

畳を選ぶ際には、使用されている素材にも注目しましょう。素材によって特徴や価格が異なるため、畳を選ぶひとつの基準になります。

 

「縁付き畳」を設置した場合の費用相場は以下の通りです。

 

畳の素材1畳あたりの費用相場
い草畳(一等品)11,000円以上
和紙畳(ダイケン)13,000円以上
樹脂畳(セキスイ)13,000円以上

 

 

「和紙畳」は、紫外線に強く色が変化しにくく長持ちしやすい畳で、ダニやカビが発生しにくいというメリットもあります。

 

 また、「樹脂畳」は和紙畳と似た特徴を持つ樹脂製の畳で、モダンな雰囲気とも相性のよい見た目にも優れているのが特徴です。

 

付加設備の設置

間仕切りや掘りごたつなど、小上がり和室と合わせて付加設備の設置を検討している方も多いのではないでしょうか。どういった付加設備を設置するかによって、費用相場は大きく変わります。

 

費用相場は以下の通りです。

 

付加設備費用相場
間仕切り引き違い戸(2枚建) 18万円以上

可動式間仕切り 8万円前後

ロールスクリーン 4万円前後

掘りごたつ (電気工事を合わせた代金)30~40万円程
収納スペース完成品 6万円前後

造作 20万円以上

 

 

小上がり和室をすでにある部屋に設置する場合、メーカーの完成品を利用すれば費用を抑えられます。完成品を使って小上がりを設置するのであれば、かかる費用は工事と商品の購入に必要な6万円程のみです。

 

もちろん、造作工事で収納スペースをつくることも可能ですが、造作にかかる費用だけで20万円を超えてしまいます。特に理由がない限り、完成品を利用しても問題ありません。

 

失敗しないために!小上がり和室の設置前に知りたい6つの注意点

 

小上がりを設置するデメリットでお伝えしたように、導入後に後悔しないためには、事前に注意点を理解しておくことが重要です。

 

これから詳しくお伝えする以下の6つの注意点を把握した上で、小上がり和室の設置を考えましょう。

 

  1. 目的に合わせて小上がり和室の広さを決める
  2. 目的やLDKの広さに合わせて小上がり和室の高さを決める
  3. 天井との差を考える
  4. 用途に合わせた仕切りの設置を検討する
  5. どのような収納を設置するか考える
  6. 小上がり和室の配置や生活動線に配慮する

 

せっかく憧れの小上がり和室を導入しても、設置する部屋の広さや導入後の用途など、さまざまな条件に適したものを設置しなければ使いやすく便利な小上がりはできあがりません。

 

「求められる広さが確保できているか」「その大きさの小上がり和室を部屋に設置しても大丈夫かどうか」など、事前にしっかり考えてから設置しましょう。

 

小上がりの設置で後悔しないためにも、事前に小上がりの使い道を検討して、設計士とアイデアを共有するのがおすすめです。ここでは、用途や好みに合わせた小上がりの広さや田さ、収納の有無なども紹介するので、導入の際はぜひ参考にしてください。

 

目的に合わせて小上がり和室の広さを決める

小上がり和室の広さは通常で3〜4.5畳です。さまざまな使い方を想定しているのであれば、一般的な広さの4.5畳が適しています。

 

小上がり和室の用途と、それに適した畳数を以下の表にまとめました。

 

畳数小上がり和室の用途
2~3畳趣味の空間、家事スペース、仏壇の置き場所

仕事場、子どもの勉強部屋

4~4.5畳客間、ダイニング、一時的な寝室
6畳以上客間、寝室

 

 

例えば、小上がり和室を寝室として使いたいのであれば、狭くても4.5畳以上の広さが必要です。それから、布団を収納するために、押し入れなどを合わせて作るとよいでしょう。

 

また、面積が6畳以上になる場合は、壁を作り部屋を分けるのがおすすめです。

 

逆に、設置する部屋の広さが足りないようであれば、小上がりの広さは3畳程にしておきましょう。

 

目的やLDKの広さに合わせて小上がり和室の高さを決める

 

小上がりのサイズを考える際、広さにばかりを気にしてしまいますが、高さも使いやすい小上がりを作る大切なポイントです。

 

通常、小上がりの段差は20〜40センチメートル程ですが、段差の高さによってメリットは異なるため、用途や好みに合わせた高さを選びましょう。

 

例えば、小上がりの高さが20センチメートルだった場合、以下のようなメリットがあります。

 

  • 昇降しやすい
  • 圧迫感が生まれにくい
  • 段差を踏み外した際に怪我をしにくい

 

20センチメートルは、階段1段分程の高さです。

 

段差の高さが30〜40センチメートル程と、少し高い場合は以下のようなメリットがあります。

 

  • 腰かけとして使える
  • 小上がり部分を収納にできる
  • 個室のように使える

 

用途や設置する部屋の広さによって、使いやすい小上がりの高さには違いがあります。ですが、段差が小さすぎるとむしろ足を引っかけやすくなるため気を付けましょう。特に、高さが10センチメートル程しかないと、段差に気付きにくくなります。

 

また、小上がりの高さが40センチメートル以上あると、圧迫感を与えてしまうだけではなく、段差の昇降が大変なのでおすすめしません。

 

特別な理由がない限りは、目に入りやすく、足を踏み外したり引っかけた時に手のつきやすい30〜35センチメートルの高さを選ぶとよいでしょう。

 

天井との差に合わせて小上がり和室の高さを決める

床から天井までの高さもまた、和室の高さと同じで見落としがちなポイントです。

 

既存の部屋から一段高い場所にある小上がりは、当然ですが段差の分だけ天井との距離が縮まります。天井が近すぎると居心地が悪くなったり、高身長の方が頭をぶつけてしまうなど、小上がりが使いづらくなるため好ましくありません。

 

畳から天井まで、2メートル程の高さをもたせるのが好ましく、180センチメートル程では天井が近すぎると感じる方が多いようです。

 

とはいえ、少数ながらも天井が低い方がリラックスできると感じる方もいるため、最終的にはご自身や家族の好み、使い道に合わせた高さの小上がりに仕上げましょう。

 

用途に合わせた仕切りの設置を検討する

小上がり設置後の用途によっては、仕切りが必要になる場合もあります。小上がり和室の導入を考えているのであれば、事前に仕切りを設置を検討しましょう。

 

仕切りのない小上がり和室は、設置先の部屋が狭くても圧迫感が生まれにくいメリットがあります。ですが、仕切りがないと視線を遮るものがないため個室のようには利用できません。

 

子どもを遊ばせておきたい場合などは視線が通っていた方が安心できるので、仕切りのない小上がりがおすすめですよ。

 

一方、小上がりを個室として活用したいのであれば仕切りは欠かせません。

 

仕切りを作り、一時的に個室として使えるようにすれば、客人を通したり仏壇を置いたり、寝室や仕事場としても活用できるのが魅力です。

 

仕切りを作る場合は、メーカーの完成品を活用できないことが多いため、そうなると一から建具を作る必要があります。

 

例えば、2枚の引き違い戸を取り付ける場合、追加で20万円程が必要です。

 

どのような収納を設置するか考える

 

もちろん、収納を設置しない選択肢もありますが、小上がり和室の収納は何かと便利です。

 

小上がり和室の収納には、主に以下の3種類があります。 

 

種類メリットデメリット
引き出し簡単に物を出し入れできる奥の物を出し入れしにくい
天面開口大きいものを収納しやすい上に物があると使えない
跳ね上げ同上同上

 

引き出しタイプの収納は簡単に物を出し入れできるので、買いだめた日用品やおもちゃなど、よく取り出す物をしまうのがおすすめです。

 

また、引き出しタイプは奥の物を出し入れしにくいというデメリットがあるので、奥には季節物の洋服や寝具など、出し入れすることの少ない物を収納しましょう。

 

手前には引き出しタイプの収納を設置して、奥には天面開口や跳ね上げタイプを設置するなど工夫をすれば、より使いやすい収納に仕上がるはずです。

 

小上がり和室の配置や生活動線に配慮する

小上がり和室を、設置後も頻繁に使いたくなる便利な空間に仕上げるためには、どこに配置するのかがとても大切です。

 

小上がり和室の特徴である利便性を最大限に生かすため、多くの場合はLDKの中に設置されます。LDK以外の部屋に作ることは可能ですが、使い道が限られてしまうため、用途の多い便利な小上がり和室の設置場所としては少しもったいないのではないでしょうか。

 

また、用途に合わせて小上がりの配置を工夫すると便利です。

 

  • ダイニング
  • キッチン周辺
  • ベランダの隣

 

例えば、ダイニング内に小上がり和室を配置すれば、ちゃぶだいで食事を取ることもできます。それから、キッチン周辺に設置すれば、洗い物や料理をしながらでも子どもが小上がりで遊ぶ様子を見守れて安心です。

 

ベランダに隣接した位置に設置すれば、庭やウッドデッキに出入りしやすいなど、小上がり和室の配置によって設置後の使い道も大きく変わります。

疑問を解決します!小上がり和室に関する5つの疑問に返答

 

小上がり和室やその設置に関して、さまざまな疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。ここでは、小上がり和室に関する5つのよくある質問にお答えしていきます。

 

以下が、5つの質問です。

 

  1. 小上がり和室を設置した後に「失敗した」と思ったことは?
  2. 小上がりを設置して後悔しやすい人の特徴は?
  3. 小上がり和室は高齢者でも安心して使える?
  4. 小上がり和室の収納の活用法は?
  5. 狭い部屋にも小上がり和室は設置できる?

 

小上がり和室の設置で後悔しないためにも、ぜひ目を通してみてください。

小上がり和室を設置した後に「失敗した」と思ったことは?

せっかく、時間やお金をかけて小上がり和室を設置するのですから、絶対に失敗したくはないですよね。ですが、残念ながら、いざ使ってみて「思っていたのと違う…」と設置を後悔する人もいます。

 

小上がり和室を設置して「失敗した…」と感じている人は、どのような点を後悔しているのか気になる方も多いのではないでしょうか。

 

「後悔したこと」としてよく挙げられるポイントを以下にまとめました。

 

  • 畳数が足りず使いにくい
  • 広く作りすぎて空間に締まりがない
  • 段差が高すぎて圧迫感が生まれた
  • 小上がり和室の印象が強く、既存の部屋の内装とあっていない
  • 見た目にこだわるあまり、使いにくい小上がりになってしまった
  • 設置した直後は使っていたが、今では仮置きスペースになっている
  • ロボット掃除機で掃除できず不便
  • 子どもが足を踏み外しそうで怖い
  • 段差のない畳コーナーを作ればよかった

 

 

上記から分かるように、使い道を深く考えずに設置したり、見た目を優先した設計して、「失敗した…」と感じている方が多いようです。

 

「小上がりを役立てられるのか?」「段差のない畳コーナーではダメなのか?」など、設置後のことも見据えて、じっくり考えてみましょう。

 

小上がりを設置して後悔しやすい人の特徴は?

 

先ほどもお伝えしたように、誰しもが小上がり和室を便利に感じるとは限りません。中には、「必要ない」と感じる方も多くいらっしゃいます。

 

以下のリストの内に当てはまるものがあれば、もう一度、設置するかどうか検討してみるのがおすすめです。

 

  • 特に使い道が思いつかない
  • 掃除をロボット掃除機に任せている
  • 設置先の部屋が狭い
  • 小上がりを配置すると生活動線を妨げてしまう
  • 設置後、使い道がなくなるかもしれない
  • 小上がりよりも、段差のない畳コーナーに惹かれる

 

小上がり和室は高齢者でも安心して使える?

高齢の方にも配慮した小上がり和室に仕上げるのであれば、部屋と小上がりとの高低差が重要なポイントになります。昇降が難しくなるので、段差が高くなるのは避けるべきです。

 

また、高齢の方が腰を下ろす、立ち上がるのが難しい場合には、小上がりをベンチとしても利用できます。

 

ベンチとして活用する場合には、段差が低すぎると腰を下ろすのが難しくなるだけではなく、段差に気付かず足を引っかけてしまう危険性があるため注意しましょう。

 

通常、小上がりの高さは20〜40センチメートルですが、高齢の方を含めた、ご家族の背丈に合わせた高さにするのがおすすめです。

 

また、小上がり和室はLDKに隣接した寝室として使えるだけはなく、間仕切りを設置すれば介護用スペースにも利用できます。段差の高さを考慮する必要はありますが、小上がり和室は高齢の方がいる家庭でも大いに活躍できるでしょう。

 

小上がり和室の収納の活用法は?

ひと口に収納といっても、大きさや設置場所によって収納する物は異なります。小上がり和室の収納の場合は、以下のような物を入れるのがおすすめです。

 

  • 子ども用品やおもちゃ
  • 季節物の洋服や家電
  • 予備の寝具
  • 買いだめた日用品

 

小上がり和室の収納には、小上がりや設置先の部屋で使うもの、あまり出し入れしないものなどを入れるとよいでしょう。

 

大きなものを入れる場合には、天面開口タイプの収納を使うのがおすすめです。 

狭い部屋にも小上がり和室は設置できる?

 

小上がり和室を設置すると、部屋に圧迫感が生まれるため、基本的に狭い部屋には適しません。

 

また、家具の配置変えなどが難しくなるため、部屋のイメージチェンジを図りたいときや家具を入れ替えたときなどに問題が起こることがあるため、気を付けましょう。

 

まとめ

在来の独立した和室とは違い、LDKに設置することが多い小上がりの和室は、使い勝手がよく便利な空間です。

 

小上がり和室の設置を検討する際に頭を悩ませるのが、小上がりのサイズ設置場所畳の素材や種類など、さまざまな選択肢ではないでしょうか。

 

これらの細かい選択肢は、小上がり和室の雰囲気や使い勝手のよさを大きく左右する大切なポイントです。

 

適した場所に小上がりを配置すれば、部屋の雰囲気が引き締まり使い勝手もよくなります。設置場所を工夫すれば、ダイニング内の和室で食事を取れるようにしたり、小上がりから庭に出れるようになったりと使い道が大きく広がるでしょう。

 

また、小上がりに設置する間仕切りや収納も重要です。もちろん、設置しないという選択肢もありますが、「小上がりを個室のように使いたい」「収納スペースが足りない」などの場合には、これらの付加設備の設置が欠かせません。

 

設置後に「失敗した…」と後悔しないためにも、じっくり考えて、用途や好みなどに合わせた設計にしましょう。

 

小上がりの配置やサイズなど、設置してしまうと簡単には修正できません。家族構成や老後のことなども視野に入れて、しっかり検討しましょう。

 

小上がり和室は使い勝手がよく用途が多い分、設計や配置など、どうするのが正解なのか悩んでしまう方も多いかもしれません。

 

そういった場合には、「どのように小上がり和室を活用したいのか」「どれくらいのサイズが適しているのか」などの切り口から考え始めるとよいのではないでしょうか。

 

小上がり和室の設置を考えている方は、ぜひ今回のコラムを参考にして、生活や住まいに合わせた小上がり和室について考えてみてください。