小上がりに興味があるものの、設置する具体的なメリットや活用方法など、小上がりについてさまざまな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
今回のコラムでは、部屋に小上がりを設けるメリットやデメリット、使いやすい小上がりを作るポイントなどをご紹介します。また、小上がりを設置する費用についても解説するので、ご自宅に小上がりを設ける際には参考にしてみてください。
目次
小上がりとは?
「小上がり」とは、部屋の一角にある段差の上に設けられた空間のことです。高さがあるため下部を収納として活用したり、来客時には寝室や客間として使用するなど、使える空間を広げて活用方法を増やせます。
小上がりを設ければ同じ部屋の中を擬似的に区切れるため、高低差のある小上がりならではの遊び心を取り入れた間取りに仕上げられるのも魅力です。
小上がりを設置するメリットは?設置するメリットと活用方法5選
「小上がりの設置を検討しているけど、どのようなメリットがあるのか分からない…」そんな方も多いのではないでしょうか。小上がりは腰を下ろしてリラックスできる魅力的な空間ですが、メリットはそれだけではありません。
小上がりを導入すると、仕切りを設けずとも擬似的にもう一部屋つくれるため、部屋の空間を狭めずにさまざまな活用方法を増やせるのも魅力の一つです。ここでは、小上がりを設置する具体的なメリットと活用方法を5つご紹介します。
- マンションでも床下収納をつくれる
- ベッドやソファの代わりとして使える
- 子どもの遊び場に使える
- おむつを替えるスペースにもなる
- 仕切りを取り付ければ個室のように使える
マンションでも床下収納をつくれる
スペースを確保するのが難しいマンションで「収納スペースを増やすと、家具やものを置ける場所が減ってしまう」という悩みを解決するのが、小上がりと床下収納の組み合わせです。
小上がりの下部に収納スペースをつくれば、利用できる面積はそのままに収納を増やせます。スペースが足りずに困っている住宅にはぴったりの活用法です。
ベッドやソファの代わりとして使える
仕事や家事、育児をしていて、「少し腰を下ろして休憩したいな」「疲れたし、寝転がりたいな」と思う瞬間がある方も多いのではないでしょうか。とはいえ、直接床に寝転がるのは気が引けるし、わざわざ寝室まで向かうのが面倒な時もありますよね。
そんな時に便利なのが小上がりです。リビングなど普段生活する部屋に小上がりを設ければ、疲れた時、気軽に寝転がることができます。また、腰を下ろしてリラックスしたり、家事をしたりと、家具の代わりとして使用できるので便利です。
子どもの遊び場に使える
小上がりは子どもの遊び場にぴったりの空間です。床から一段上がっているため高低差があり、子どもの想像力をかき立てます。
リビングに小上がりを設ければ、家事をしている間も子どもが何をしているのか確認しやすくなり安心です。また、子どもがおもちゃを床に置きっぱなしにしても、小上がりなら邪魔になりにくいのではないでしょうか。
おむつを替えるスペースにもなる
小上がりは、床から一段上がった空間にあるため、おむつ替えのためのスペースとしても活用できます。また、そのまま寝転がることもできるので、小さい子どもがいる家族におすすめしたい活用方法です。
仕切りを取り付ければ個室のように使える
仕切らずにゾーン分けができるのが小上がりの魅力ですが、あえて仕切りを設けることによって、個室のように使うのも活用方法の一つです。
カーテンやブラインド、障子などで部屋と小上がりを仕切れば、子どもが昼寝をするスペースにしたり、来客用の寝室にも使えます。
小上がりの設置にはデメリットもある!知っておきたい5つの注意点
小上がりにはたくさんのメリットがありますが、気を付けたい点も存在します。
- 小さい子どもがいる家庭では段差に気を付ける必要がある
- 部屋が狭く感じることがある
- 家具やインテリアの配置が制限される
- バリアフリー化はできない
- ロボット掃除機では一回に掃除できない
小さい子どもがいる家庭では段差に気を付ける必要がある
小上がりは子どもの遊び場として活用できますが、段差があるので怪我をしないように気を付ける必要があります。特に、はいはいやつかまり立ちを始めた子どもがいる場合は十分に注意しましょう。
部屋が狭く感じることがある
小上がりは床よりも一段上がった場所にあるため、天井が近くなり部屋が少し窮屈に感じる場合があります。特に、マンションに小上がりを設けた場合は部屋が狭く感じられるかもしれません。
家具やインテリアの配置が制限される
部屋に小上がりを設けると家具を設置できる空間が減ってしまうので、インテリアの配置が制限されて、模様替えをする際の自由にものを配置しづらくなります。
バリアフリー化ができない
小上がりは、床よりも高い位置にあるので段差が生まれます。そのため、小上がりを含む部屋全体を、バリアフリー化したい場合は向きません。
ロボット掃除機では一回に掃除できない
小上がりを設けると部屋に高い段差が生まれてしまうため、お掃除ロボットでは一度で掃除できません。小上がりがある部屋をロボット掃除機で掃除するのであれば、小上がりだけ別に掃除をする必要があります。
使いやすい小上がりとは?設置する前に知りたい5つのポイント
では、実際に作りやすい小上がりをつくるためにはどうすればよいのでしょうか。ここでは、小上がりを設ける前に知っておきたい、以下の5つのポイントをご紹介します。
- 小上がりをつくるなら4.5畳がおすすめ
- 小上がりの高さは床から30~40センチメートルが使用しやすい
- 使用目的に合わせて目隠しをつけるか決める
- 使用目的に合わせて収納の種類を選ぶ
- 気軽に小上がりを導入したいならユニットタイプも検討しよう
おすすめの面積や床からの高さなどについてお伝えするので、小上がりの設置を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
小上がりをつくるなら4.5畳がおすすめ
通常、小上がりの面積は3~6畳ですが、特に人気なのが4.5畳です。広いとも、窮屈とも感じにくい、適切な広さの小上がりに仕上がります。面積が6畳程の広めの小上がりにする場合、一つの部屋としても使えるように引き戸や間仕切りなどを取り付けることが多いです。そうすれば、寝室や客間として利用する際にも役立ちます。
その他にも、1~2畳程の狭い小上がりにして、簡単に腰を下ろせる空間にするのも一つの方法です。使いやすい小上がりの面積を考える際には、設置する部屋とのバランスや、どのように活用したいかなどを考慮するとよいでしょう。
小上がりの高さは床から30~40センチメートルが使用しやすい
通常、上りやすい段差の高さは20センチメートルだといわれます。ですが、小上がりの用途として、ものを収納したり腰を下ろしたりすことを考えると、30~40センチメートルが使用しやすい高さです。
また、段差につまづくのを避けようと10センチメートル程の微妙な高さにすると、むしろつまずきやすくなる場合もあるため気を付けましょう。40センチメートルよりも高い小上がりを設置するのであれば、小上がりに階段をつけるのも選択肢の一つです。住んでいる人の年齢やつくる場所、用途などに合わせた高さの小上がりを設けましょう。
使用目的に合わせて間仕切りをつけるか決める
カーテンやブラインド、障子を取り付けて、小上がりの目隠しをするかどうかを決める際には、小上がりの使用目的も考慮するとよいでしょう。小上がりを子どもの遊び場やリビングと繋がった空間にしたいのであれば、間仕切りをつけず、そのままにすると開放感が出ます。
小上がりを寝室や客間として利用したいのであれば、引き戸を取り付けて間仕切りを設けましょう。そうすれば、寝室などとして利用する際に、小上がりをもう一つの部屋のように使えます。また、来客があった時に目隠しをしたいだけであれば、ロールスクリーンを取り付けるのもよいでしょう。
使用目的に合わせて収納の種類を選ぶ
小上がりの下部を収納として活用する場合、引き出しにするか、天面が開くようにするかを選ぶ必要があります。簡単に移動できない家具などを小上がりに置くのであれば、引き出しにものを収納するとよいでしょう。逆に、小上がりにはなにも設置しない場合は、小上がりの天面を開閉して、床下にものを収納するのもおすすめです。後者の場合、開閉する部分が大きいので中が見やすく、使いやすいでしょう。
気軽に小上がりを導入したいならユニットタイプも検討しよう
昨今ではユニットタイプの小上がりも販売されており、箱から出して組み立てるだけで簡単に小上がりができあがるため、気軽に導入できるのが魅力です。木製のままの製品や畳が張ってある製品、収納がついている製品、掘りごたつが楽しめる製品など、さまざまな特徴を持つ製品があります。
特に、賃貸住宅にお住まいの場合は、引越の際に簡単に解体できるため、ユニットタイプの小上がりがぴったりです。
導入にかかる費用は?小上がりを設置するのに必要な費用の相場
では、実際に小上がりを導入する場合、設置にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。小上がりの広さや収納の有無などを考慮した費用相場を以下にまとめました。
- 小上がりの導入に加えてLDKリノベーションをする場合 90万円程
- 収納のない、畳を張った3畳の小上がりをつくる場合 15万円以上
- 収納のない、畳を張った4.5畳の小上がりをつくる場合 20万円以上
小上がりに畳を張る場合、縁のない琉球畳を張ることが多いですが、通常の縁のついた畳よりも費用が高額になることが多いです。また、畳を張る場合は、畳表に使われる素材の種類によっても必要な費用に違いがでます。
多くの場合、小上がりに収納をつけるのであれば、造作せずにユニットタイプを購入して設置したほうが費用も時間もかかりません。特にこだわりがないのであれば、ユニットタイプを採用するのもおすすめです。掘りごたつのユニットを導入する場合は、4.5畳で20万円程の費用がかかります。それ以外にも電気工事代が発生することもあるので注意しましょう。
間仕切りを設置するのであれば、どのような間仕切りを設けるのかでも変化しますが、防音効果のある寝室用の仕切りなどの機能性に優れたものを導入すると追加で20万円程の費用が発生します。
まとめ
「小上がり」は部屋の一角にある、段差の上に設けられた空間のことで、導入にはメリットとデメリットがあります。床下収納をつくれたり個室のように利用できるなどの魅力がある反面、バリアフリーにできなかったり部屋が狭く感じるなど、メリットだけではありません。
実際に小上がりを導入する際は、使用目的に合わせて広さや高さ、収納や間仕切りの有無を決めましょう。また、状況や用途によっては造作せずにユニットタイプを購入するのがおすすめな場合もあります。ご自宅に小上がりを導入する際には、ぜひ今回のコラムを参考にしてみてください。